何であんたら数値そんなに高いの？【名探偵コナン】

２７ページ:嘘寝 ページ27

あの保護者が帰ってきたのだろうか。…今まで本を読んでいたとバレると何かを言われるかもしれないので、一応4冊とも布団の下に隠して寝たふりをした。
私の部屋へと近づく足音がする。扉から背を向け、目を瞑った。

「…寝てるか」

声的にやはり、保護者だった。私が寝ているのを確認したのか扉を閉め、リビングの方へと行ってしまった。しばらく狸寝入りを続けたが、一向に戻ってくる気配も無かったので起きる。

耳を澄ましてみると、保護者とおじさんの声がする。…恐らくは会話しているのだろう。私がベッドから移動して机の上に置いている5冊目の本を読もうと手に取った。

…友人と言っていたから、普通に談話や世間話でもしているのだろう。
ただ、ごくりと飲み込んだ唾に私は喉が渇いたことに気付く。…水を飲んだほうがいいか。
本は読んじゃダメでも、水を飲みに行くくらいなら大丈夫だろう。

私はベッドに隠していた4冊の本を片付け、少しボーッとする頭でリビングへと向かった。水を飲む為に。汗をいっぱいかいたからか、喉が渇いてしょうがない。








「それでどうだったんだ？」
「ダメだな。何かきっかけみたいなのがあればいいんだが」

リビングでは何かを話しているおじさんと保護者がいた。二人はこちらには気付かずに、話し込んでいる。
話を少しだけ盗み聞きすると、何かを試しているようだがまだ出来ていないらしい。何についてかはよくわからないが。

「…？」

警戒も無く話している二人に、何故か頭痛が増した。まるで、何かを思い出しそうな…記憶喪失でもあるまいし。
私は無視して影を薄め、二人にバレないようにそうっと台所へと向かい、コップを取ろうとした。…しかし、コップは食器棚の高い所にありそれも叶わなかった。

さて、どうするか。と迷っているとリビングの方から私にも聞こえるような声で保護者は言った。

「…コップなら高い所に置いたから、君じゃ届かないよ」

まるで見透かしていたような発言に、思わず肩をびくりと震わせた。すると保護者はリビングの方からこちらへ来て、私のコップを取ってくれた。

「別に一言言ってくれても良かったのに」

どうやら、私の行動は筒抜のようだった。保護者はにっこりと笑みを浮かべている。
…もしかして、

「起きてるの、知ってた？」
「部屋から数冊程、机に置いてあった本が消えてたからね。確証は無かったけど、君ならこっそり読書すると思ってたから」

…敵わないな、と保護者に視線を向けた。

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