関係性 ページ13
カ｢なあ、Aは誰と行くんだよ｣
ジェンキンズは辺りを見回してからAにそう言った。
Aはジェンキンズとこんなに話したことがなかったため、正直動揺を隠せなかった。
｢なんの話？｣
カ｢とぼけるなよ、『血の舞踏会』だよ。みんな誰がAの相手か気になってる｣
｢え？｣
カ｢Aはスコーピウスとはビジネスパートナーなんだろ？つまり_______そういう関係じゃない。ポリーはスコーピウスを誘うつもりだ｣
｢私はスコーピウスの_______｣
恋人だったはずだが、はやりこの世界では自分はスコーピウスのビジネスパートナーらしい。
カ｢な、誰に誘われた？オーケーしたのか？｣
ジェンキンズはAと距離を詰める。
Aが引き下がる。
｢いいえ｣
カ｢なら僕とどうだ？Aの魅力にはみんな痺れてるよ_______僕は特に｣
Aはこんなジェンキンズを見たことがなく、怖さに笑いが出てくる。
｢あはは_______ご冗談。失礼していいかしら｣
カ｢噂では君も僕が気になってるって聞いてたけど？｣
ジェンキンズがAの手を掴む。
｢やだ、そんなこと知らない、だって私_______私はスコーピウスが_______｣
Aが言いかけると反対側の手を掴まれる。
ス｢A、僕たち行かなくちゃ_______何してる？｣
スコーピウスはジェンキンズを見る。
カ｢悪いけど今は邪魔しないでくれるか、サソリ王。Aを舞踏会に誘ってる途中だ｣
ス｢舞踏会_______ポリー・チャップマンの言ってた血の舞踏会_______｣
スコーピウスはAをジェンキンズからグイッと少し強引に抱き寄せる。
カ｢おい、スコーピウス、なんで君がAを_______｣
ス｢あのね、どこの世界でもどんな状況でもAは僕の大切な人なんだ_______誰にも渡せないよ｣
スコーピウスはAの手を引いて走り出す。
カ｢あ、おいっ、｣
後からジェンキンズの超えが聞こえてくるが二人は背を向けて走った。
ス｢A、大丈夫だったか？｣
｢嬉しかった、ありがとう｣
Aはスコーピウスの手を繋いだ。
ス｢よかった_______でもきっとね、この世界のスコーピウスも本当は君が好きだと思うよ｣
｢どうして？｣
ス｢僕がそう望んでるから｣
スコーピウスの言葉にAはニッコリと笑う。
｢この世界のAもきっとそうだよ｣
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作者名：ななや | 作成日時：2022年9月29日 19時
