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校内放送が響いた。

カルエゴ先生の声だったので一瞬ドキリとしたけれど、プルソン君を呼び出す唯ならぬ事態にざわざわした。

職員室まで駆け付けると、彼と鉢合わせて


「Aさん、ごめん…」


一言だけ残して姿を消した。

以後、練習にもその姿を現す事はなかった。

プルソン君のお父さんから電話で、
隠密の彼が音楽祭に出る事に激しく抗議、自主退学を迫られたのだという事を先生から聞かされた一同。


「プルソン君は、何て?」


私の問いに先生は、


「……いいんです、と
まあ実際プルソンが抜けた事で課題のハードルは下がった
貴様らにとってはラッキーだろう」

「そんなっ!」


私達まで腑抜けている場合ではない
私達の練習ばかりに構ってられない
多忙なのだと、続けられ


「音楽祭の準備と貴様らの指導に加えて
行方不明のプルソンを探さねばならんのだから」


それを聞いて皆は一様に騒ついて

家出中?
自分の意志で帰ってないって事?
僕ら余計なこと言ったりしたのかな
何かあったんじゃ…ケガとか…


「まぁ、どこにいるか大体察しはつくがな…」


先生はそう言って私を見据えた。


「どうしたらいいか…迷ってるんだ」

「プルソン君は、きっと…音楽祭に出たくて…
帰って来いって言われて
ずっと1人で迷って迷って消えて」


入間君と顔を見合わせると、彼はコクリと小さく頷き


「どこにも行けないプルソン君が
最後に辿り着く…彼の居たい場所」

「いるよ、見えないけど…絶対にいる!」

教室(ここ)に」

「プルソン君!
僕は…っ、僕たちは…っ
キミと一緒にっ音楽祭に出たいよ!!」


入間君はじめ、其々、思いの丈をぶつけて


「私達は練習するよ!
プルソン君の演奏に負けないように!!」

「14人で!ステージに立つために!」

「よっし!
じゃあ練習だやるぞー!!」


リード君の掛け声に皆が呼応した。

カルエゴ先生と目が合えば、フッと笑みを見せられて眩んだ。

2人きりになる確率が高くなった!?

い、いや、練習に集中しよう……っ!!

決心を今一度、固くして――…



そして

音楽祭の幕が開く…!!

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- お、面白すぎない⁉ 続き楽しみにしています!!(せ、せめて音楽祭の所を終わらせてください…🙏) (10月21日 9時) (レス) @page14 id: ada088a93e (このIDを非表示/違反報告)
わんだ - 好きすぎて空き時間にぶっ通しで読んでしまいました!更新応援しています! (9月20日 23時) (レス) @page14 id: 567121a822 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - 更新楽しみにまってました!!!これからも頑張って下さい! (7月30日 6時) (レス) @page14 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
はちゃ - 続き待ってます! (5月26日 16時) (レス) @page13 id: 08048a5b22 (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - 初コメ失礼します! 最初から読ませていただいたのですか、とてもドキドキして楽しいです! 続き早く読みたいなぁなんて…笑 (5月20日 21時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:周杜(シュウト) | 作成日時:2022年2月2日 22時

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