新たなお礼 ページ15
しばらく沈黙が続いたが、それを破ったのは牛島くん。
「クッキーのお礼がしたい」
「えっ?で、でもこのクッキーは昨日のお礼だから、お礼を返す必要なんて…」
そう言うと、牛島くんはむむっと黙って考え込んでしまった。
あ、あれ??
「…なら。」
「?」
「今からサーブ練習をする。」
「えっと…それはもしかして…絵の参考にしても良いってこと…??」
「ああ。…全員が揃っているところで練習を見ても、誰を描けばいいか分からなくなりそうだからな。ならば、俺一人を集中して見た方がいい」
私は人生一心が昂った気がした。
全国でも有名な大エース、牛島若利のひとつのプレーが見れる。しかも、特等席。今私だけが見れる最高の景色が…。
こんなに美術欲が揺さぶられる日など、久々だ。自分でもこんなに心が高まるのか、って位に。
「あ、ありがとう…!!」
めいっぱいの気持ちを込めて、感謝を伝える。
「今ボールを取ってくる。...このクッキーを預けてもいいか」
「うん!」
私はクッキーを受け取り、牛島くんは倉庫にボールを取りに行った。
「牛島くんの…サーブ」
私、今日死ぬかもしれません。
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毎日、最大3話更新を目指して頑張ります。
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作者名:矢風 | 作成日時:2019年9月30日 22時