鷲と兎【牛島若利】 (ページ14)

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奇妙な縁ページ14

牛島くんにお礼の言葉と共に、クッキーを渡す。

「これは…藤兎が作ったのか。」

「うん。…あっ、迷惑とかだったら返してもらっても大丈夫だよ？」

「いや、有難く受け取る。ありがとう」

牛島くんの手のひらにクッキーが手渡される。牛島くんの手、おっきいな…

「藤兎は凄いな。毎朝弁当と朝ご飯を作ったり、お菓子も作れるのだな」

「ううん、牛島くんの方が凄いよ。牛島くんも毎日の日課としてランニングを欠かさずしてるんでしょ…？」

「そうだな。藤兎の日課が料理な様に、俺はランニングだ。だが、毎日料理など早々できるものじゃない。だから藤兎は凄い」

とても真剣な瞳でこんな言葉を言ってくるのだから、私の心臓は動悸が収まらなかった。

「あっ、ありがとう…じゃ、じゃあ私も牛島くんも、どっちも凄いってことだよね！お揃いの勲章だね…！」

なんて、訳の分からないことを言ってしまった。心の中でうわーっと叫びながら頭を抱えた。それが行動にも出てしまっていたのか、私はいつの間にか本当に頭を抱えていたらしい。

「藤兎は面白いな」

「ひゃええっ、なんで…！？」

本当に何してるんだろう私、昨日から牛島くんに振り回されてばっかりだ。今も変な声が出てしまった。

「何か藤兎とは奇妙な縁を感じる気がする。昨日初めて話したのに、初めてじゃない感覚だ。」

それは私もそう思う。でも、牛島若利という名前も、その顔も、私は初めてだ。
だけど、牛島くんの言う通り奇妙な縁を感じる気がした。