ロードワーク帰り ページ13
学校に着いたら、まず行くところは美術部の部室なのだけど、今日は少し違う。
「バレー部は多分朝練…してるかな」
私が向かう先は体育館だ。牛島くんにクッキーを渡す訳ではなくて、少しだけバレーを見て見たいと思った。絵を描く参考に…勝手にするのは失礼だから、後から鷲匠先生に聞いてみようと思います。
体育館の扉を開けると…
「あれ、誰も居ない……」
だけど、バレーボール部のネットだけがそこに佇んでいた。
「今日は朝練みんな無いのかな…?」
キョロキョロと周りを見渡していると、後ろから威圧感を感じた。
「藤兎」
「えっ?…うわああ!うっ牛島くん!?!?」
後ろにいたのは牛島くん。突然の事すぎて、大きな声を出してしまった。恥ずかしい…
「すまない。驚かせてしまった」
牛島くんは少し眉を下げて謝ってきた。
「ご、ごめんねこちらこそ大きな声出しちゃって…」
「藤兎が謝ることでは無い。…何か用か?」
「えっ、あの、えっと…ちょ、ちょっとだけバレー部を覗こうかなって思ってたんだ…絵の参考になれば…なんて…思って……」
最後の方はボソボソすぎて多分聞こえてなかった気がする。
「そうか、なら見ていけばいい」
「えっ?でもこういうのって大体部外者禁止だよね…ましてや朝練なんて…」
「別に外から覗くくらいなら構わん。だが、まだ他の奴らが戻ってくるまで時間があるぞ?」
「え?牛島くんは今何してたの?」
「ロードワークだが、先に終わった」
見た限り汗はひとつもかいてないし、息切れもしてなさそうなのにロードワークをしていたのか…と言うか朝ランニングしてたよね…?
「ほかの人達はいつ帰ってくるの?」
「まだかかるはずだが」
「牛島くんって、ランニングも早いんだね。今日の朝も…走ってたよね」
「ああ。そう言えば、藤兎はなぜあの時間に起きていたんだ?朝練はないだろう?」
「あっ、それはね…」
牛島くんに私の毎朝の日課を話す。
あ…ついでになってしまうけど、クッキーもやっぱり渡してしまおう。
「あ、あの牛島くん…これ!昨日送ってもらったお礼と、絵を綺麗って言ってくれたお礼も含めて…」
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作者名:矢風 | 作成日時:2019年9月30日 22時