想い溢れるひととき(side N) ページ42
聴こえてきたピアノとハーモニカ。
軽快なリズムのワルツ。
『‘Piano Man’だね』
みおと視線が交わり、笑みを交わす。
空気が変わる。
緊張がほぐれ、心が解放されてふわっと軽くなって、音楽が放つ心地よさに自分を委ねたくなる。
歌いたくなる。
『〜〜〜♪』
聴こえてきたのはみおの歌声。
ビリージョエルのエネルギッシュな声に重なる、良く通る弾む歌声に、俺の心も躍る。
みおも気持ちよさそうに笑みを浮かべて音楽に揺れる。
そんなみおを久しぶり見た俺は、嬉しさで胸がいっぱいだった。
このみおの姿をずっと側で、1番近くで見ていたい。
そんな想いで溢れたひとときだった。
『ビリージョエルはやっぱりいいね。語るように歌うところが好き。感傷的だけど力強さもあって。また日本で歌ってほしいなぁ』
ビリージョエルを語り出したら止まらないところも、変わらない。
『あ…ごめん、私1人でペラペラと…。あ、夕飯食べた？ 食べてないなら…あ、そうだお蕎麦茹でようか？』
俺は少し迷って、「(ありがとう)」と返事をした。
こんな時間にいきなり来て、食事まで用意してもらうことに躊躇いはあったけど、少しでも長く一緒にいたいという欲が勝った。
時間が許す限り、
みおが嫌じゃないのなら、
一緒にいたいと思った。
みおに何があったのか、
どうして豊田さんと別れたのか、
今は大丈夫なのか、
聞きたいことがたくさんあった。
なのに………
「…ん、……いてて……」
首の痛みで目が覚めた。
ぼんやりと室内を見渡す。
照明が灯ったままのみおの部屋。
聴いていたはずのビリージョエルが聴こえない。
左肩が重くて、あったかい。
大好きな香りをすぐそこに感じる。
まさか…と、寝起きの気怠さがドキドキに変わる。
恐るおそる視線を移す。
「……(みお)」
重みと温もり、香りの元はやっぱりみお。
ソファに座る俺の隣で、俺の左肩に頭を預けてスースーと寝息をたててる。
まさかの状況に、完全に覚醒してしまった。
「…(え、と)」
どうする？
え、ていうか、なんでこうなったんだ？
俺いつ寝た？
みおが蕎麦を茹でてくれて、それを食べて、片付けが済んだら話を聞こうと思ってて……
それで…
「(寝落ちした……………)」
何やってんだよ……
メシ食って、腹いっぱいになって、好きな女の子の前で寝るって。
だっさ……
その心の中を(side N)→←愛おしい香り(side N)
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さら(プロフ) - chr916さん» お返事遅くなりました。何度も読み返してくださって嬉しいです。続きを更新しました。コメントありがとうございました。(^^) (2022年10月11日 4時) (
レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» ご無沙汰しています。続きを少し更新しました。いつも感想をありがとうございます。(^^) (2022年10月11日 4時) (レス) @page49 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
chr916(プロフ) - 何度も読み返すくらい大好きです！続きが早く読みたいです🙇♀️ (2022年10月2日 19時) (レス) id: 2b8ccb9b49 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao - 更新ありがとうございます！胸キュン❤️いいなぁ〰と想像膨らませて読ませて頂きました。続き早く読みたいー待ってますから〜 (2022年7月16日 1時) (レス) @page45 id: 80a471aa5a (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^)今後、2人はどうなるのでしょうか。いつも読んでくださって感謝です。 (2022年7月12日 10時) (レス) @page43 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さら | 作成日時：2021年5月15日 11時
