謝罪 ページ17
太一に全てを話した。
隆弘と再会してからのことを。
パーティーの夜の帰り際の出来事。
香織の家で一緒に過ごしたこと。
隆弘が心配で彼の部屋へ行ったこと。
その夜、太一についた嘘。
そして、2年前の別れの真相も。
全部。
太一は時折頷きながら、私の話を聞いてくれていた。
最低だ。
こんなに優しい人に、誠実な人に、
たくさんのことを秘密にしてた。
嘘までついて。
太一は幻滅してるね。
こんな女だったのかって、プロポーズをきっと後悔してる。
『そっか……。そうだったんだ……』
私が話し終えると、太一は軽く息を吐いてそう言った。
「本当に、ごめんなさい」
再び頭を下げ、膝の上の握り拳を見つめ続けた。
許してくれるまで何度でも謝ろうと。
『……』
「ごめんなさ、」
『もういいよ……みお。こっち……おいで』
「……っ、」
彼に抱き寄せられた途端に、じわじわと涙がこみあげてくる。
でも泣いちゃだめだと、堪えた。
私も彼の背中に腕を回して、恐る恐る力を入れる。
太一もそれに応えるように、ぎゅうっと抱き返してくれた。
「太一っ、……ごめんなさい」
『みお、もう言わないで。それよりも、話してくれてありがとう』
思いがけない言葉に顔を上げると、大切な人の優しい微笑みがそこにはあった。
ついに堪えきれなくなってしまったひとすじの涙が、私の頬をつたい落ちる。
太一はそれを親指で拭いながら、再び『ありがとう』と言った。
「太一、……どうしてっ、ありがとうなんて……」
『黙っていればいいことだったのに、ちゃんと話してくれたから……。みおは俺に正直に、誠実に向き合ってくれてるってことだよ』
「でも……」
『誰にだって、言いにくいことや嘘をつく事はあるよ。でもこうして話してくれた。だからありがとう』
太一は、どこまでも優しい。
私の弱さや狡さを責めることはしない。
海のように深い愛情をそそいでくれる。
私の頬を包む大きな手。
溢れてくる涙を優しい指先がその都度拭ってくれる。
この手を大事にしたいと、心から思う。
「本当に、ごめんなさい……」
『みお、もう謝らないで。ただ……』
太一はそう言って黙ってしまった。
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さら(プロフ) - chr916さん» お返事遅くなりました。何度も読み返してくださって嬉しいです。続きを更新しました。コメントありがとうございました。(^^) (2022年10月11日 4時) (
レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» ご無沙汰しています。続きを少し更新しました。いつも感想をありがとうございます。(^^) (2022年10月11日 4時) (レス) @page49 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
chr916(プロフ) - 何度も読み返すくらい大好きです！続きが早く読みたいです🙇♀️ (2022年10月2日 19時) (レス) id: 2b8ccb9b49 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao - 更新ありがとうございます！胸キュン❤️いいなぁ〰と想像膨らませて読ませて頂きました。続き早く読みたいー待ってますから〜 (2022年7月16日 1時) (レス) @page45 id: 80a471aa5a (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^)今後、2人はどうなるのでしょうか。いつも読んでくださって感謝です。 (2022年7月12日 10時) (レス) @page43 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さら | 作成日時：2021年5月15日 11時
