君と (ページ45)

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プレゼントページ45

『佑一郎、ニッシー、そろそろ出るんでしょ』

そう香織に促されて、玄関へ向かう2人。
見送るために私と香織もついていった。

『あっ財布忘れた。どこに置いたっけ？』

ジャケットのポケットを探りながら香織に確認する佑一郎君。

『え？無いの？も〜どこに置いたの』

香織が呆れながらリビングへ探しに戻ると、佑一郎君も後に続いた。

「西島君、この前はどうもありがとう」

『みおの表情がこの前より明るくなったね。良かった』

優しい笑顔の西島君。

「…彼とね、終わりにしたよ。もうやめた」

話を聞いてくれた西島君には、伝えようと思っていたこと。
感情は出さないように、淡々と言った。

すると今までの優しい笑顔が消えた西島君。

『そっか…つらい、よな？』

西島君が今にも泣きそうな顔になった。

どうして西島君がそんな顔するのよ。
私が泣かないようにしてるのに。

視界がにじむ。

また、泣き虫って言われちゃう。

涙がこぼれないように、私は大きく息をはいた。

『みお、これあげる』

西島君から小さな紙袋を手渡された。

「…何？これ」

『だいぶ早いけど、クリスマスプレゼント』

再び優しい笑顔を見せてくれた西島君。

「え!? いいの？」

『泣き虫みおに、ニッシーサンタから』

今度はニィっといじわるな笑顔。

……

これ、絶対振り回されるやつだ。

「…ありがとう♡、ハートマーク付きだよ」

先を読んでそう言ってみたら、西島君は拍子抜けした顔。
そして彼は口元に右手を当て、私から目をそらした。

照れてる…
やった。

「あれ？西島君、照れてる？」

『…うるせー、見んな』

彼を覗き込む私の目を、西島君は左手で覆った。

ふふっ、西島君かわいい。
こういうのは苦手なんだ。
意外な一面を知っちゃった。

『あったー』

リビングから香織の声。

ようやく財布が見つかり、西島君と佑一郎君は出かけて行った。