7色の後ろ側 3《赤》 (ページ8)

今日:3 hit、昨日:109 hit、合計:588,928 hit

8 ページ8

神ちゃんよ。
何で言ってしまったの。
よりにいもよって小瀧さんに...！！

まさか言うと思ってなくて、私は持っていた漫画を手から滑らせた。
そして山積みにしていた漫画の山が見事に崩れる。

望『なになに！？大丈夫なん？』

「大丈夫です。うるさくてすみません
...あの」

望『ん？』

「そのこと他の人達には黙っててくださいね」

望『まぁ...そやな』

よかった、ここで納得されなかったら大変だった。
重岡さんの事とか気にしてくれたのかな。

望『...嫌ではなかったん？』

少し時間を置いてから小瀧さんは聞いてきた。

「そりゃ相手があんなイケメンですから」

望『はぁ！？イケメンでも何でも好きな男以外だったら嫌ちゃうの！？』

「んー...鼻先にですよ？」

望『やとしてもや！』

「そりゃ嫌悪感感じる相手はいるとは思いますけど、神ちゃん相手にそうはならないですよ」

望『それって、好きって、ことなん...？』

たぶん、というか間違いなく今小瀧さんが聞いてる好きは恋愛的な好きの意味で。

「あの、私如きがって感じですけど、それはないです」

望『えっ』

「今そんな余裕ないですよ。
もう、皆さんのお仕事フォローするので手一杯です」

望『せやけど、』

「皆さんすごいキラキラしててかっこよくて、正直ときめく事はあります。距離感もやたら近くてフレンドリーですし。
でもそれは恋愛感情ではないです。全く。」

望『...そ、なんか』

「神ちゃんから何も言われてない以上、絶対とは言えないですけど...
神ちゃんも私に異性としての好意があってしてきた訳じゃないと思います。
雰囲気でなんとなくー...みたいな」

望『そんなんわからんやん！』

「まぁね、そうなんですけど」

正直年頃の男の子だったら、そういう事しちゃう時もある気もする。

「とにかく！明日からも普通にお願いします」

望『俺はええけども...』

「あと、神ちゃん二日酔い大丈夫かだけ朝教えてください。
また連絡するので。
運転キツそうなら迎えに上がります。」

望『ん、わかった』

「それじゃ小瀧さんも夜更かししないで寝てくださいね」

望『のーぞーむーやーろー！』

「...望も！」

望『おう！おやすみ！ええ夢見るんやで！』

「ふ(笑)おやすみなさい」

人に話した事で、私自身だいぶ気持ちが落ち着いた。
そう、大した事じゃない。鼻だし。
ちょっとデートっぽくなっちゃって雰囲気に流された的なね。うん。

神ちゃんもそれで小瀧さんに話したのかな...

これ以上考えても答えはわかる訳もなく、私は諦めて寝る事にした。