第二十二話 「秋の夜」 ページ23
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あれから私は一眠りして、その後昼食をとり1年生の午後の授業を見学した。
午後は実技の授業で塀のぼりの授業。
山田先生が指導していたけれど、1人ひとりの個性をしっかり把握して的確にアドバイスをしていた。
さすがは忍びの先生...
それにしてもみんな可愛かったなぁ。
特にしんベヱ君とか。授業中でも鼻をかんであげたくなっちゃう.....
....私もあの子たちくらいの歳だった頃はホントに血を吐くほど毎日毎日稽古ばかりで....
あれは軽く死んでたね。うん。
思い出したくもない記憶が蘇りつつも、私は夕飯を食べに食堂へ向かっていた。
「あっ!Aさーん!!こんばんは!」
『乱太郎君!それにきり丸君としんベヱ君も!こんばんは。』
「こんばんはAさん。
もう日が暮れるのも早くなってきたっすね〜」
食堂に続く渡り廊下を歩いていると、
後ろから大きく手を振る乱太郎君を真ん中に、きり丸くんとしんべヱくんが走ってきた。
確かに最近は日が暮れるのが早くなった気がする。
最近までこの時間帯は夕日が差していたのに、今はもう真っ暗だ。
きり丸くんは「ちょっと肌寒いや」と少しだけ身震いする。
『もう秋だもんね。今年は去年より冷え込むみたいだし....』
「もう既に寒いのにやだなぁ〜。」
鼻水を垂らしながらそう言うしんべヱ君。
冬になると鼻水がもっと大変な事になりそう.....
『こんなに涼しいとお風呂の後ウロウロしたら湯冷めしちゃうだろうし、
今日は早めに布団に入るんだよ。』
なんて注意喚起的なのをしてみると、みんなは声を合わせて「はぁーい!」と返事してくれた。
可愛いなぁほんと....
あまりの可愛さに思わずにやけていたその時。
突然しんベヱ君のお腹がぐうーっと鳴り、「お腹すいたー!」とビビるくらいの速さでで走って行ってしまった。
「あっ!おい、待てよしんベヱ!!
すんません、俺らはこれで失礼します!」
「わ、わたしも!」
2人は私にペコリとお辞儀してしんベヱ君を追いかけて行った。
.......先輩がいるからなのか、礼儀もしっかりしてる。
城に就くと上下関係なんて当たり前だから、これくらいの歳からしっかりしていた方が後で困らないんだろうな。
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春の黒猫(プロフ) - 依利さん» コメントありがとうございます!すごく励みになります...頑張ります^ ^ (2020年10月12日 21時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
依利 - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年10月11日 21時) (レス) id: ed636e8d4e (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - 菜々さん» コメントありがとうございます。読者様が苗字を設定しない場合、元々の主人公の苗字を設定しておいて欲しいとの事でしょうか...?一応この小説は苗字と名前の設定が可能になっておりまして、あえて苗字を設定していないのですが...(・・;) (2020年10月9日 16時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - こんにちは読みたい所ですが設定のとこ少し直した方思います参考なったら嬉しいです例えば→夢崎(名前)。こんな感じです読みづらくすみません (2020年10月8日 16時) (レス) id: ea6e979d26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春の黒猫 | 作成日時:2020年9月22日 16時