第十五話 「双忍と豆腐小僧」 ページ16
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「あそこを曲がったところが食堂なんだ。丁度良かった、まだ少し早いから生徒たちも少ないな。」
『うわぁ、すっごくいい匂いですね....!』
食堂の中に入ってぐるっと辺りを見渡すと結構大きな食堂で、朝食をとっている生徒が数名いる。
あれは.....藤色の忍び装束?
背も下級生と比べて高そうだし、上級生かな。
「お、誰かと思えば土井先生じゃないですか!おはようございます。」
「おはようございます土井先生。
今日のメニューにはランチ、ディナー共に練り物がないので安心ですね!」
イタズラそうに笑う茶髪でフサフサ髪の生徒は、即座に土井先生からゲンコツを食らわされた。
「コホン.....この生徒たちは5年生で、奥から久々知兵助、不破雷蔵、鉢屋三郎だ。」
『は、初めまして。』
同じ顔が2つ.....そしてこちらを見ながら高野豆腐を貪っている長いまつ毛の人....
うーん、どこから突っ込めばいいのやら。
「あぁ、この人が例のくノ一の....って!めちゃくちゃ怪我してるじゃないですか!」
私を見るや否や、痛そ〜...と顔を歪める5年生たち。
くっ、そんなに見られると忘れてた痛みが戻ってくるからやめて欲しい....
『えーと...元ツキヨタケ忍軍小頭、AAです。これから少しの間お邪魔することになったから』
よろしくね、と言おうとした時、彼らは怪我を見た時よりも驚いた表情をして私の言葉を遮るように叫んだ。
「忍軍の小頭!?しっ、失礼ですがご年齢は....?」
「ばっ、雷蔵!女性に年齢を聞くなんて失礼だぞ!」
質問する不破君の頭をパシコーン!と平手打ちする久々知君。
思ったより紳士だったけど、先にくわえたままの高野豆腐をどうにかしなさい。
『はは....気にしないから大丈夫だよ。
歳は今年で16になるの。』
「「「16!!?」」」
歳を聞いた途端、あんぐりと口を開けて驚く3人。
土井先生も、普通はそう言う反応するよな...なんて苦笑いしている。
「今年で16と言うことはまだ15歳...それだったら僕らと1つしか違わないのに現役のプロ忍者だなんて....」
「私もうここやめようかな」
「馬鹿なことを言うんじゃないっ!」
「あだっ!!」
本日2度目のゲンコツを食らった鉢屋君の頭には大きなたんこぶができている。
痛そ〜....(デジャヴ)
そんなこんなで5年生たちと少し話をした後、私たちも食事をとる事にした。
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春の黒猫(プロフ) - 依利さん» コメントありがとうございます!すごく励みになります...頑張ります^ ^ (2020年10月12日 21時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
依利 - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年10月11日 21時) (レス) id: ed636e8d4e (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - 菜々さん» コメントありがとうございます。読者様が苗字を設定しない場合、元々の主人公の苗字を設定しておいて欲しいとの事でしょうか...?一応この小説は苗字と名前の設定が可能になっておりまして、あえて苗字を設定していないのですが...(・・;) (2020年10月9日 16時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - こんにちは読みたい所ですが設定のとこ少し直した方思います参考なったら嬉しいです例えば→夢崎(名前)。こんな感じです読みづらくすみません (2020年10月8日 16時) (レス) id: ea6e979d26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春の黒猫 | 作成日時:2020年9月22日 16時