無限列車5 ページ16
「私…寝ちゃってたの……？」
Aは何とか状況を判断しようと、立ち上がり辺りを見渡す。
「なに……これ？」
辺りにはスライムのような物体が触手を伸ばし蠢いている。
(これも…鬼？)
ｽﾞｽﾞｽﾞ...という音が近付いてきたのに気付き、後ろを振り向けば触手が近くまで伸びて来ている。
「わっ！？」
思わず飛び退いたAの前に現れた禰豆子が、あっという間にその触手を切り刻む。
『ムゥ？』
あっけに取られていたAを振り返った禰豆子は、大丈夫か？と言いたげに小首を傾げた。
「あ、ありがとう。助けてくれたんだよね？」
『ムゥウ！』
そうだと言わんばかりに誇らしげに胸を張った禰豆子は、大人の女性の姿なのに、とても愛嬌がある。
思わずAはそんな禰豆子の頭へと手を伸ばし、幼子にするようによしよしと撫でてやった。
「いい子いい子。優しいね。」
それが嬉しかったのか、禰豆子はAに抱きついてくる。
「わわわ！！」
まさかの行動にAはバランスを崩し後ろへとたたらを踏む。
トン！っと何かにぶつかり、Aは身体をビクリと緊張させ、ゆっくりと見上げた。
『竈門妹に助けて貰ったようだな！！！』
「杏寿郎さん！！！」
ぶつかった相手が杏寿郎だったことに安堵したAは、満面の笑みを杏寿郎へと向けた。
『ｸﾞｩ!!』
「え！？何処か怪我してるんですか！？」
『大事無い！！』
急に呻き声を上げた杏寿郎にAは慌てる。
『それよりも、この状況について説明させてくれ！余裕が無いから、手短に話す！』
杏寿郎はそう言うと、Aに説明を始めた。
鬼は汽車と融合し、乗客二百名余りを人質としている。
八両編成の汽車の内、後方五両は杏寿郎が守り、残りの三両は善逸・禰豆子・Aが守る。
しのぶは、杏寿郎の守る五両を気にしつつ、Aの補助に回る。
炭治郎と伊之助は鬼の首を探す。
『以上だ！！ただし、竈門妹は鬼だ！！君の血に反応する可能性は大いにある！その事は決して忘れるな！！』
そう言うと杏寿郎は、A達に背を向け後方車両へと走り抜けて行った。
「すごい振動……」
走り去る杏寿郎を見つめた後、Aは禰豆子へと視線を向けた。
「禰豆子ちゃん？私のせいで苦しめたくないけど…一緒に戦ってくれる？」
そう問いかけると禰豆子は、きりっとした表情で頷いた。
『もしもーし。』
「！しのぶさん！」
いつの間に現れたのか、Aの横に立つしのぶがそっと声をかける。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さや(プロフ) - 更新ありがとぉ〜！いつにも増して引き寄せられるのたまらない(´﹃｀)のらは状況を説明してくれる文がほんと丁寧だから、アクスタを前に妄想しながら読んじゃったよ(*ˊᗜˋ*)wいい萌えをありがとう♡!! (2023年2月27日 1時) (
レス) @page37 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa152(プロフ) - さや、コメントありがとう♡やっと再開(´；ω；｀)待っててくれてありがとうー！！(*´˘`*)♡ (2022年10月23日 21時) (レス) id: 5021f8e528 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - のらの新話がもう読めた(;//Д//)‼すけこまし扱いされてる煉獄さん助かる(੭ु//́Д/̀/)のら再開ありがとぉ♡♡ (2022年10月23日 21時) (レス) @page29 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - cocoa152さん» 一応お伝えします。鬼滅の妖怪奇談にでているジバニャンやかごめの台詞は、兵庫水軍と犬夜叉異聞路という私の別の作品に在ります。宜しければ其方も是非。まだ完結はまだですが… (2022年4月25日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa152(プロフ) - みこち様、初めまして。コメントありがとうございます✨楽しんで頂けて嬉しいです(*≧▽≦)読みに行かせていただきますね♪ (2022年4月25日 18時) (レス) id: 5021f8e528 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のら | 作成日時：2022年3月26日 11時
