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二郎の隣に座り、ウンウン唸りながら解いている数学のテキストを一緒に眺めてみた。
うん、わからない。
正直、アイドルの活動が忙しすぎて学校を卒業はできたが勉強はからっきしダメだった。
数学なんて、中学生が高校受験で使う程度の範囲までしかわからないし。
「〜〜〜だあっ!わっかんねえ!」
ついに二郎の頭がショートしたようだった。
「ふんっ、やっぱり二郎は小学生の範囲からやり直した方がいいんだよ」
「ぐっ…」
悔しそうに三郎に言われ負けている様子を見ると、おそらく私が起きてくるまでの間、一郎と三郎、簓さんはライブ映像、二郎は宿題をして過ごしていたのだろう。
可哀そうだが、勉強に関しては私は力添えはできない…。
「三郎?あまりそういうことは言ったらだめだよ」
力にはなれないが、一応注意だけはしておく。
私も勉強がすごく苦手だから、二郎の気持ちはすごくわかる。
「うっ…はぁーい」
あまり面白くなさそうな三郎の返事を耳に残しながら、改めてテキストを見るがやはりさっぱりだった。
「二郎、これ今日中にやるの?」
「うーん、Aの家にいる間にできたらいいんだけど…」
「そっかー、高校の範囲じゃ三郎に聞くにしても少し難しい部分もあるだろうし…今日はいいんじゃない?」
みんな遊んでるのに真面目にやっているのはえらいが、少し可哀そうだ。
それに、まだみんな私の家にはいるだろうし、時間はたっぷりあるだろう。
私の言葉を聞いて、嬉々としてテキストと筆記用具をしまい始める二郎は、急いでカバンの中に荷物をしまいに行った。
その様子を簓さんは何か考え事をしながらじーっと見ていた。
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翠(プロフ) - 設定も文章の書き方もめっちゃ好きです...!素敵な作品をありがとうございます🥺💗続きを楽しみにしています♡ (2022年4月11日 18時) (レス) @page20 id: d7bba88e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ウサミ | 作成日時:2022年3月2日 14時