おかあさんではありません！4【歌.い.手】

＊ ページ44

やっぱり勘違いをしていた。
口をパクパクさせながら私とハルを交互に見つめる6人は滑稽でしかない。

「学校が休みなのでこっちに遊びに来たんです。私もお休みだったので一緒に...」
さ「.....おとーとと普通遊ぶもんなん？」

どうやら坂田さんはまだ疑っているようだ。
あんまり家族の個人情報を漏らしたくないけど、仕方がない。

「ハルは今中学３年生なので、さすがに1人でウロウロさせられませんから」
う「中３？」
ハ「はい！」

まぁ、うらたさんと志麻さんより身長は高いし、少し大人びてはいるけど。

せ「そんなに歳が離れとるんや」
「えぇ、だから可愛くて」
ま「プレゼント渡してたのは？」
「誕生日近いので」
あ「だからさっきのカフェでも奢ってたんだ
...」

はぁとため息をつくと、ハルが腕を引っ張り「僕のせい？」と聞いてきた。
あぁ、可愛い弟にこんな顔をさせるなんて。

「ハルのせいじゃないよ。この人たちが勝手に勘違いして勝手に大騒ぎしただけ！」

わざと刺々しく言うと、6人の肩がビクリとはねた。

「じゃあ、私達はまだ行くところがあるので。もうついてこないでくださいね。いいですか？」
『.....はい』

訳が分からず狼狽えるハルの手を取り、その場から立ち去った。

＊

ま「...そらるさんから連絡きた。春樹くんでしょ？弟だよ。変なことしてると怒られるぞって...」
あ「もう遅いよ...」
う「え、弟でかくね？え？」
し「俺らよりでかかったよな？あれで中３？」
せ「よく見れば顔も少し幼いし声変わりもまだっぽかったですねぇ...」
さ「俺もAの弟になりたい」



(ねぇ、Aちゃんめちゃくちゃ怒ってるよね？既読スルーされてるんだけど)
(まふくんも？...浦島坂田船は大丈夫だった？)
(全然口聞いてくれない)
(あと時々すごい冷めた目で見てくる)
(抱きつこうとしたら殴られた)
(ご飯もレンチンパックのやつだけやったしな...)



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智毅さんからのリクエストで『夢主ちゃんが男性と二人で歩いていて、歌い手のみんなが困惑するお話』でした。
相手の設定はなんでもいいとの事だったので、年の離れた弟にしてみました。
ちなみにブラコン、シスコンの相思相愛姉弟です。

リクエストありがとうございました！


↓設定
鈴木 春樹(15)
Aの弟。
おねーちゃん大好きっ子。
ケンカはしたことが無い。

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