＊ ページ28
♡
「なぁ、好き」
「はいはい、分かったから早く支度してください」
何度も好きって伝えてもAの反応は素っ気ない。
普段から所構わず言いすぎてしまっているせいもあるかもしれないけど、少し寂しい。
ワンマンのリハーサルについてきてくれたAは、さっきからスタッフさんと仲良さそうに話してる。
それはいいのだけれど、
(相手が男っていうのが気に食わん)
何を話しているのか知らないけれど、時折楽しそうに笑うAが嫌だった。
その顔を知ってるのは俺だけがいい。
なんて子供じみた嫉妬心がじわじわとせり上がってくる。
「坂田さん、いけますか？」
「あ、はい。大丈夫です」
ダメだ。
今はちゃんと集中しないと。
＊
「大丈夫ですか？」
リハーサルを終え帰り支度をしていると、Aがそう聞いてきた。
「何が？」
醜い感情が表に出ないように、いつもの様に笑う。
「やっぱり変です」
「変って...」
「無理して笑ってますよね？」
風邪ぶり返しました？とおでこにあてられた手を取った。
「...なんで分かったん？」
「なんでって.....そりゃマネージャーですから」
聞きたいのはそんなものじゃない。
グイッと彼女の腰を引き寄せ、耳に唇を寄せた。
「それだけ？」
「...っ、」
いつもとは違う低くて甘い声で囁く。
少し赤く染まった耳朶にちゅっとキスを落とすと、Aにつき飛ばされた。
「.....ふ、はは」
耳を押さえて顔を真っ赤にした彼女は金魚のように口をパクパクさせていた。
それが面白くて思わず笑うと「な、何するんですかぁ」と弱々しく抗議された。
「あー、可愛ええ。...好きやで、A」
「だ、からそう言うのはいいです.....」
だんだん小さくなる語尾と動揺で揺らめく瞳に俺は満足してしまった。
(ちょっとずつ、ちょっとずつでええから)
俺を男として意識して。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1259人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まろまゆこ(プロフ) - まし@志麻リス?さん» 教えて頂きありがとうございます！修正させていただきます〜。 (2019年5月3日 8時) (
レス) id: 0a41dd36db (このIDを非表示/違反報告)
まし@志麻リス?(プロフ) - すごい面白いです！！岡山弁なのですが、めっちゃ可愛ええがん！だと思います……！細かい指摘で気分を悪くされたら申し訳ございません…… (2019年5月3日 7時) (レス) id: 10de6dbefd (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - こちらこそありがとうございました！私も書いていておいて何ですが春樹くんお気に入りですww是非出させてください！ (2019年5月1日 19時) (レス) id: 0a41dd36db (このIDを非表示/違反報告)
?智毅?嵐・ジャニーズwest(プロフ) - ありがとうございますした！めっちゃめちゃよかったです！そらるさんからの遅れた連絡で笑いましたww春樹くん…お気に入りキャラになりそうwwまた何かの機会で出していただけたら幸いです！あ、そうだ、また今度春樹くんについてのリクエストしますね (2019年5月1日 19時) (レス) id: 883f93b667 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - あんみつ@crewさん» こちらこそリクエストありがとうございました！恋愛感情、あんな感じで大丈夫でしたでしょうか？これからもよろしくお願いします。 (2019年5月1日 13時) (レス) id: 0a41dd36db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まろまゆこ | 作成日時：2019年4月22日 18時
