おかあさんではありません！2【浦.島.坂.田.船】

それは突然 ページ38

「ご馳走様でした」
「どういたしまして」

何とか2つのパンケーキを食べ終えカフェから出た。
センラさんとの約束はここまでのはず。

「じゃあ、私そろそろ帰るので」
「送ってく」
「え、大丈夫ですよ」
「.....この間のこと、忘れたとは言わせへんよ」

そう言われてしまうとぐうの音も出ないのだが、まだ日は高いし、これ以上一緒にいてファンの子に目撃されたらたまったもんじゃない。

「お気持ちだけもらっておきます」
「せやけど、」
「タクシーで帰るので」

なかなか引き下がらないセンラさんに言うと「気ぃつけて帰ってな」と、渋々納得してくれた。

「ではまた」
「ん。楽しかったで」
「...私もです」

名残惜しそうに私の手を握り、「また仕事ん時な」とふわりと笑った。
軽くお辞儀をしてセンラさんと別れ、タクシーに乗り込んだ。
お休みだというのに疲れてるは、きっと志麻さんとセンラさんになれないことを言われたからだろう。

「明日もお休み取ってて良かった...」

明日一切外に出ず、なんならパジャマのまま1日過ごそうかと考えているうちに、家の前に着いてしまった。

「ありがとうございました」

お釣りと領収書を貰いマンションへ向かうと、

「A！」

「.........お母さん！？」

実家にいるはずの母がいた。


(え、なんで？)

母の思惑→←あまい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す