絶対なんて、この世にない。-2- (ページ9)

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-9- youside ページ9

－－－まだドンへのこと好きか？

その問いかけに対する返事が、すぐに見つからなかった。
嫌いになったわけじゃない。けど前みたいな感情があるわけでもない。
だからと言って簡単に忘れられる恋じゃない。

「A、迎えに来たよ」

そう言って、今目の前にドンへが現れたら、私はどうするだろうか。
喜ぶ？嫌がる？無視する？
…わからない。本当に、わからない。
けど、ドンへを思い浮かべるたびにチクチクと心が痛む。
これは未練なの？それとも罪悪感なの？

『私が変わらなきゃいけない…どういうことなの？』

けれどその答えは、きっと私自身答えを出してからでないともらえない。
私は、ドンへをどう思ってるんだろう…。
ベッドに横たわり、目を閉じた。
彼とデートした思い出を浮かべ、会話を思い出し、ゆっくりと記憶をたぐる。

－－－「おいしいっ！」

－－－『ほんとっ⁈…全然おいしくないじゃん！失敗だよー；』

－－－「俺は好きな味だよ^^ また作ってほしいな」

初めて作ったコーヒーケーキ。
甘いもの苦手って言ってたから食べれるかなぁと思ってたけど、それ以前に全然美味しくなくて大失敗。
それでも彼は美味しい美味しいって言って全部食べてくれた。
次食べてもらう時は失敗しないようにって、何回も作ったなぁ。

－－－『ドンへ？起きて、時間だよ！遅れちゃう』

－－－「んー…まだ大丈夫…」

－－－『大丈夫じゃないって！遅れたらみんなに怒られるよ！』