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三つのティーカップと、いろいろなお菓子が少しずつ盛られたお皿をソファの前のテーブルに置く。
ソファに座る乱歩と向かい合うように、女性は地べたに座り、敦は少し迷ってから、乱歩と女性のどちらの隣でもなく、例えるならば誕生席ともいうべき位置の地べたに座った。
それを見てフッと女性はほほ笑み、隣の部屋からクッションを持ってきて敦に差し出す。
「客人に床に座るようには言えないから、せめてね」
「あ、ありがとうございます……」
申し訳なさと恥ずかしさの混じった声で礼を言い、2人に向き合う。
「さて、何から答えればいいかな?許可はもらっているんだ」
「許可……?ですか?」
「ああ」
敦の問いに、女性は頷く。
「私の身柄というか、戸籍というか、身元保証人というか、そういうのは、特務課預かりになってるんだ。それで、私の身の上話をするのにも、連中の許可がいるというわけさ」
『あはは』と女性は笑って云ったが、予想外の発言に、敦と乱歩は言葉を失った。
2人の反応に、『は』と軽く息を吐いて、女性は苦笑いになる。
「ああ、すまなんだ。そうだな。まず質問に答える前に、私のことを話してからの方がいいだろう」
そう云って、女性は話し始めた。
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作者名:あき | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fallHP/
作成日時:2020年11月30日 15時