白紙の文学少女 (ページ7)

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奥に進むと、そこは女性の住居スペースらしく、キッチンやソファ、ダイニングテーブルなどが置かれていた。

「ソファでも、テーブルでも、好きな方に座ってくれ。私はそれに合わせるから」

ティーセットをキッチンに置き、小さな夜間でお湯を沸かしながら云う。

「紅茶でいいかい？聞いたところで、生憎、それしかストックがないんだ。珈琲やジュースが良かったなら謝るよ。ああ、お菓子ならたくさんあるから、それで我慢してくれ」

ティーポットに残っていた紅茶をすべて彼女のティーカップに注ぎ、中を軽く洗ってから、お湯を注いで、ティーポットを温める。

「あの、お店の方は良いんですか？」

敦が、緊張交じりに聞くと、くくくと喉の奥で笑う。

「ああ、いいんだ」

そう云って、お湯をティーカップに移し、ティーポットに茶葉を入れる。

「ずいぶん入り込んだ道だっただろう？だから、なかなか見つけられないようでね。日の来店人数は１人来ればいいほうなんだ。今日は君たち二人。ノルマをはるかに超えて達成だ。そうだ、万引きの可能性を疑っているなら大丈夫だよ」

「君の異能力で？」

女性は、ソファでくつろぐ乱歩を振り返り、目を見開いてから、『ああ』と子供のような笑みを浮かべた。

「私の不便な異能力でね。さあ、待たせたね。」