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翌日。
乱歩と敦は裏路地を歩いていた。
「ここですね」
ステンドグラスの飾り窓にあめ色の扉。
扉にかけられた木製のドア札が唯一、そこが、彼女が店主を務めるという店『古書堂 梟の止まり木』だということを示していた。
ドアを押し開ければ、からんからんと、軽快なドアベルが鳴る。
「いらっしゃい」
本の森の向こうから、昨日聞いた声が鳴る。
2人が店の奥へ進むと、一昔前のレジスターと、ティーセット、小皿にクッキーを乗せたカウンターの向こうで、優雅に本を読む女性がいた。
「やあ、君たちか」
顔を上げながら、女性は本にしおりを挟む。
チラリと見えた表紙には『中巻』と書かれていた。
「待っていたよ。ようこそ、梟の止まり木へ。早速色々説明させてほしいんだが、ここがいいかい?それとも別の場所にするかい?例えば、探偵社下のうずまきとか」
女性は、また何か知っていそうな瞳でそう云った。
「ここでいいよ」
「そうかい」
乱歩のそっけない返答に、女性は少し困ったように微笑んだ。
「どうぞ。長話なら、ここじゃ少し寒い」
彼女はティーセットとクッキーの小皿を乗せたお盆を手に奥を指した。
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作者名:あき | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fallHP/
作成日時:2020年11月30日 15時