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ほほ笑んで、人差し指、中指、薬指、小指が立てられる。
「四つ、あくまで私は、古書堂『梟の止まり木』の店主です。
来店してくれる客が来辛くなる状況にはしたくありません。
私は、本が好きであれば、誰にでも、読みたい本を提供したいと思っています。
そして、少ない来店客の中には、一般人や武装探偵社員のほかに、ポートマフィアや、異能特務課、政府の人間もいます。
もちろん、私がどこの組織の人間かなんて、気にしない人もいるでしょう。
ですが、足が遠のく客も少なからずいるはずです。
そうなれば、私の思いは遂げられなくなってしまいます」
人差し指、中指、薬指、小指、そして、親指が立てられる。
「五つ、私は、今の暮らしが気に入っています。
自由で、気のままに、無責任にできる今のお店経営が。
それなのに、会社に入って時間に縛られるのは、単純に嫌なんです。
私は、たくさんの本を好きな時に好きなだけ読んで、お菓子を作って暇をつぶして、たまに来る客との対話を楽しみたいんです。
だからといって、所属だけして、時折手を貸すだけというのは、真面目に働いている探偵社員の皆さんや、事務員の皆さんに申し訳ありません。
以上、五つの理由から、探偵社に所属することはできませんし、スカウトは心苦しいのですがお断りさせていただきます」
出していた手を引っ込め、謝罪の意味を込めて深々と礼をする。
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作者名:あき | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fallHP/
作成日時:2020年11月30日 15時