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友情 ページ15

拓実は自宅謹慎の間、

受験勉強に集中できずにいた。



テレビさえ付けず

ただ部屋のベッドの上に寝転んで

天井を見上げていた。



夕日が部屋の奥まで届いていた。



ピンポーン



チャイムが鳴った。



母はまだ仕事中で

家には拓実しかいない。



足を引きずりながら玄関まで歩き、

ガチャッと玄関ドアを開けた。



「よ!」



そこにいたのは純喜だった。



「ちゃんと家いるやん。」



拓実は舌打ちをして

黙ってドアを閉めようとした。



「おい!なんでやねん。」



ドアの間に足を入れて、

必死にドアが閉まるのを阻止した。



ガコンとスチールの玄関ドアが揺れた。



「何?」



「外でちょっと話しよ。」



「話すことなんてない。」



「何言うてんねん。

早よ出てこい。」

 

「お母さんに怒られる。」



「あとで俺も一緒に怒られたるから。

あ、主任にはナイショな」



「…。」



純喜が諦めてすぐに帰るとは思えない。



ジャージ姿の拓実が

重い足取りで

純喜の背中についていった。



「何?用事?」



「いいから、着いてきい。」



「俺、勉強しなあかん。」



「どうせ今は勉強なんかしてへんやろ。」



図星をつかれて、

拓実はふいと顔をそむけた。



純喜が親指で隣の公園の方を指す。



冬至が近く、すでに夕日が鋭い角度で

公園をして照らしていた。



二人は公園のベンチに並んで座った。



「自宅謹慎。

祥生殴ったって聞いたで。」



単刀直入に斬り込むが

拓実は何も反応せず無視した。



「俺、関係ある?」



また無視した。



「拓実が何も言わんねんやったら、

俺から話すけど。」



キャッチボールをする子どもの声が聞こえる。

純喜は膝に置いた手を組んだ。

....→←.....



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設定タグ:JO1 , 河野純喜 , 川西拓実   
作品ジャンル:恋愛
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ののん(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!私も更新するたび、hit数が上がると、読んでくださる方がいるんだなと実感できて、毎回更新するのが楽しみでした。次回のお話もぜひ読んでください! (2021年8月14日 22時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - 萌萌さん» コメントありがとうございます!私自身三人称で書いて行くのが初めてだったので、試行錯誤の繰り返しでした。次回のお話もぜひ読んでいただけると嬉しいです! (2021年8月14日 22時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - mbonchanさん» コメントありがとうございます!ルート説を読んでいる方に理解して頂くためには、同窓会まで繰り返さないと弱いかなと思い、同窓会のシーンまで書きました(^^)次回もぜひ読んでいただけるとうれしいです! (2021年8月14日 21時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - nanaさん» コメントありがとうございます!書き方などを勉強中なので、褒めていただいて、すごく嬉しいです(;_;)私も一応読み直してかきましたが、矛盾がないか不安です笑次回のお話もぜひ読んで下さいねー! (2021年8月14日 21時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - クミさん» コメントありがとうございます!楽しみと言ってくださる方がいたので、頑張って更新が出来ました(^^)次回も頻繁にアップ出来るように頑張ります! (2021年8月14日 21時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ののん | 作成日時:2021年7月22日 1時

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