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ロビー隣のテレフォンコーナー。
すでに公衆電話は取り外されており、
代わりに無料Wi-Fiの案内や山の散策ガイドが
おいてある。
二人は台の下に隠れた。
ロビーの自動販売機がゴーゴーと音を立てている。
陰に息をひそめて
光が消えていくのを待った。
ピトリとAの腕が
純喜の腕にはり付く。
呼吸に合わせて純喜の肩が揺れる。
Aの心臓がドクンドクンと高鳴る。
軽く走って
息をひそめているから、
胸が高鳴る。
それだけが理由じゃないと考えると、
余計に脈を打つのが速くなっていくように感じる。
光が通り過ぎ、
階段を上っていく音がした。
Aと純喜はふぅとため息をついた。
「A、ルール知ってるけ？」
「知ってます。
11時以降出禁。」
「それだけちゃうし。
先生に捕まったら、
どうなるか知ってる？」
「反省文？」
純喜がふっと笑った。
「そんな生ぬるいもんちゃうわ。」
「何でしたっけ…？」
「ここの近くに寺があんねんけど、
朝からそこで座禅。」
「座禅…？」
一瞬頭がくらっとした。
『大月さん座禅行ったらしいで。』
どこかの誰かの噂話が頭に浮かぶ。
「A、ちゃんとしおり読んだか？」
「しおり？」
Aはいつもの癖で
しおりもサラリと目を通して
細かいところは読んでいなかった。
オリエンテーションも上の空で
話をちゃんと聞いていない。
そもそも「勉強集中タイム」が羅列する
しおりをキッチリ読み込む気にもなれなかった。
「だから、回答欄ずれんねんぞ。
ちゃんとせーよ。」
純喜がAの頭をコツンと叩いた。
「すみません。
私、明日…座禅ですか？」
「それはA次第やな。」
「えっ。」
Aが目を丸くすると、
純喜はきれいな歯を見せて笑った。
「うそうそ。
見逃したこと秘密にしてくれるんやったら
見んかったことにしてあげるわ。」
「秘密にします。」
Aが照れくさそうに
返事をした。
純喜が立ち上がり、
Aに手を差し出す。
この二人きりの時間が終わる合図。
Aは純喜の手を握って
立ち上がった。
そこで、ふっと手を離すのが
自然な流れだ。
でも、Aは手を離さなかった。
純喜が不思議そうな目をして
顔を上げた。
「純喜くん。」
「なんや？」
「せっかくやし、
ちょっとしゃべろう。」
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ののん(プロフ) - carryさん» お返事遅くなりすみません(T_T)お読みいただき、ありがとうございます。パスワードはjuntakuです(^^) (2021年9月12日 16時) (
レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
carry(プロフ) - とても面白くて一気に読んじゃいました。続きのパスワードを教えていただくことはできますでしょうか？ (2021年9月7日 23時) (レス) id: def8c9f4b6 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - nanaさん» コメントありがとうございます！海のところは私も書きたかったところなので、褒めていただけて嬉しいです！これから辛い展開になりますけど、どうか最後までお付合いいただけると嬉しいです(T_T) (2021年6月18日 0時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 海の帰りの車の中のシーンめちゃくちゃドキドキしちゃいました(泣)純喜くんも川西くんも動き始めて、どきどきの展開です(泣)毎話面白いお話をありがとうございます、これからも楽しみにしています！ (2021年6月15日 15時) (レス) id: eaa2ab5b8c (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - クミさん» コメントありがとうございます(^^)更新待っていて下さる方がいるのは嬉しいです！頑張って最後まで書きますのでお付合い宜しくお願いします！！ (2021年6月13日 0時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2021年5月4日 18時
