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最初で最後の花火大会5 ページ15

出店から外れて、歩きながらかき氷を食べた。


ようやく西の空に降りてきた太陽は、ジュワッと音を立てて多摩川の水面に落ちてしまいそうだった。


彼女はポテトフライを食べるときと同じぐらい幸せそうにブルーハワイを食べている。


「ブルーハワイ、おいしい?」


「うん。」


「舌見せてみて。」


彼女が遠慮がちにぺろっと舌を出した。


「青っ!」


「オカンも食べる?」


「いや、オカン呼びはやめてよ。」


彼女がふふっと声を出して笑った。


そして、笑いながらまたシャクッとブルーハワイを食べた。


キレイな横顔だな、と思った。


「與那…」


「與那城先輩じゃなくて。」


彼女の言葉にかぶせるように言うと、
手を止めて俺の方を見た。


「名前で呼んでほしいな。」


カランカランという彼女の下駄の音が止まった。


そして、彼女はシャクッとブルーハワイのかき氷をすくって、すっと腕を伸ばした。


そして長いまつげを持ち上げて俺を見つめた。


「奨さんも…食べる?」


上目遣いは反則でしょう。


「どこで覚えたの、それ。」
自然にやっちゃってんのか、意図的にやってんのか。


不満げに言いながら、彼女が差し出したブルーハワイをパクッと食べた。


くわえた時、少しだけ彼女の手が震えているのが分かって、逆に俺の方が照れた。


「ごちそうさまでした。」


俺たちはまた歩き出した。

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作品ジャンル:タレント
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ののん(プロフ) - oMINoさん» ありがとうございます!!悩みながら書いていたので、お褒めの言葉が胸にしみます…(TT) (2020年9月11日 21時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
oMINo(プロフ) - 最高すぎます…読んでて泣いた作品ははじめてです(T . T) (2020年9月10日 17時) (レス) id: 9e8439352b (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - ユキさん» ありがとうございます!私も與那城くんの他の作品を読みたいのですが、なかなか見つからず…(;_;)ページ数も余ってるので番外編書けたらいいなと思います(^o^)豆ちゃんの方も読んでいただき、嬉しいです…! (2020年7月3日 16時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - ふみかさん» 前作から読んでいただき、ありがとうございます!無事完結できて良かったです(;_;)次回のお話も是非是非よろしくお願いいたします(^^)今日か明日ぐらいにアップ予定です! (2020年7月3日 16時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 奨くんmainのお話って結構少なくて…作って下さったののんさんホント神です!短くても良いので筋肉の再会後の大人のお付き合いも読んでみたいです^_^豆ちゃんの方もボロッボロに泣きました 笑 こんなに良い作品に出会えて幸せです(*´ω`*) (2020年7月3日 0時) (レス) id: afcfe9e2ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ののん | 作成日時:2020年6月10日 19時

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