彼女は俺の筋肉以外の秘密を知っている３ (ページ12)

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※※Your Side※※ ページ12

２年目の大学受験はつらすぎる。

親から一人暮らしを許してもらったはいいものの、毎日が予備校、バイト、予備校、バイトの繰り返し。

去年は勉強すればするほど、偏差値は上がっていったけど、２年目となると、勉強の成果は全く数字に表れず、いわゆる停滞期に突入していた。

１か月もなると同じことの繰り返しに、精神的にこたえてきた。

金曜日の夜だけ、バイトが休みやった。
私は、その日、模試の結果をもらってどん底に突き落とされた。

第一志望 C判定

私は前回の受験の最後の最後の模試でA判定をとっていたものの、本番で失敗し、第一志望校に落ちてしまった。

前はA判定やったのに、C判定に落とすなんて…

全部放りだしたくなった。

私は予備校を出て、家とは反対方向の電車に乗った。
新宿でもよかった。
でも何となく『吉祥寺駅』という名前を聞いて
少し聞いたことがあったから、
吉祥寺駅で降りてみた。

吉祥寺駅に降りると人の多さにびっくりした。
金曜日っていうのもあるけど、
駅は学生たちであふれかえっていた。

人の流れに身を任せて歩いていくと、
いつの間にか井の頭線の改札へたどり着いた。

なぜかわからんけど、私は吉祥寺駅では何も見ずに気ままに井の頭線に乗った。

路線図を見ると、
『井の頭公園、三鷹台、久我山…』
大阪出身の私には聞いたこともない名前が並んでいた。

そこに『下北沢』という駅があった。

なんとなく聞いたことある名前やった。
特になにがあるかはわからんけど、
有名なバンドが若いころこの辺で演奏してた、とかいう話はどっかで聞いたことがあった。

自分からは程遠い世界に足を突っ込んでやりたい、と私は下北沢駅でおりた。

下北沢駅であてもなく歩いた。
駅は工事をやってるのか白い囲いで高く覆われていて、自分が今どこを歩いてるのか全然わからんかった。

途中で黒いレンガの建物を見つけた。
地下から人が上がってくるたびに、
音が漏れ出ていた。

看板を見ると、ライブハウスみたいやった。

私はゆっくり地下へと降りて
ドアを開けて、受付でチケットを買った。