ライブ終わり２ ページ2
「それは、與那城先輩が女の子を泣かせていたからです。」
「あ、いや！
あれほんと誤解だから。
沙羅ちゃんから聞いてない？
マネージャーが一人辞めたいって言って
俺に相談してきたの。
俺が泣かしたんじゃないよ。」
これは弁解のチャンスとばかりに、
本当のことを言ったのだが、
彼女はあの時の生乾きの靴下を見るような目で俺を見た。
「信じてないね。」
「月曜日は別の女の子といました。」
「月曜日？」
俺は月曜３限の
心理学概論の授業を思い出した。
あの栗色の髪の毛の那奈心ちゃんのことを
指しているようだった。
「あの子は去年のオープンキャンパスのときに俺が案内して覚えててくれた子だよ。
俺はなかなか思い出せなかったけど。」
「與那城先輩の周りにはいつも"可愛い"女の子がいます。」
彼女の口調が急に変わった気がした。
可愛いに””マークがついたような話し方だった。
俺はおや？と思った。
彼女が少し不機嫌に見えた。
俺は冗談のつもりで
「もしかして、ヤキモチ？」
と聞いてみた。
冗談は顔だけにしろよ、
という呆れた表情で見られるのかと思った。
「なんてね。」
と笑いながら、彼女の顔を見た。
すると、
彼女は自分の感情に驚いたように、
顔を真っ赤にしていた。
俺も意表をつかれて、
「え？」
と声に出してしまった。
「今は、こちらを見ないで下さい。」
と彼女が手で顔を隠した。
すると、キキーッとブレーキ音が鳴り、
『急ブレーキをします。ご注意下さい。』
と言う無機質なアナウンスが流れた。
それと同時に
Aちゃんが俺のみぞおちに思い切りぶつかった。
「大丈夫？」
「すみません。」
彼女は自動ドアに手を付いて
自分の身体を起こそうとしたが、
「痛い」と声を上げた。
俺のジャケットが引っ張られた。
ぶつかった衝撃で、俺のジャケットのチャックの部分と彼女の髪の毛が絡まったようだった。
彼女はまた
「すみません。」
と言って、
何度も身体を起こそうとしたが、
髪の毛が引っ張られたり、
混雑で人が邪魔だったりで苦労していた。
更に必死に顔を隠そうとするので
何だか彼女の健気な姿に、
無意識に手が出てしまった。
Aちゃんの肩をそっと自分の胸に寄せた。
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ののん(プロフ) - コメントありがとうございます!!これからも更新頑張ります^^ (2020年4月21日 23時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年4月20日 23時) (レス) id: f70137444b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年4月20日 21時
