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story.101 ページ15

Aside







頭が割れそうな程の痛みに耐えながら、思い出しかけている記憶を呼び出そうとすると、





温かいものが優しく私の体を包んだ





エンマ君だ。






エンマ「せめて…、このくらいさせてくれ。」





彼は私の耳元で弱々しい声で囁く




心無しか、少し痛みが和らいだ気がした





エンマ君は優しいから…。




彼は自分のことなんていつも後回しにする





たとえ赤の他人だとしても、困っている人がいれば手を差し伸べられる妖怪だ






そして、自分のことのように相手の苦しみや悲しみを彼が背負ってしまう





そのせいでエンマ君は、いつか壊れてしまうのではないかと私は不安になる





何だろう…





つい最近彼と出会ったばかりなのに、ずっと一緒にいたような気がするの。





ふと睡魔に襲われて、それに抗うことなく私は静かに目を閉じた









ーーーーーーーーーーーーーーー

→エンマside





何が「別の案件があって来るのが遅くなった」だ。





どうして嘘をつく?





いや、しかし言えるはずがない。






俺が下手に首をつっこんで、またAに拒絶されてしまうことが怖かった…なんて。




しかし、"ありがとう"か…。




嘘をついてしまった罪悪感はあるが、言われて悪い気はしない。





彼女に抱きしめられると、安心した




そうだったな




懐かしくて涙が自然と零れた





ただそれがどうしようもなく嬉しかったんだ…。




その温もりが心地よくて、瞼を軽く閉じようとした時だった




Aは苦しそうに頭を抱えて、地面に力なく座り込んだ



まさか、また無理に記憶を思い出そうとしてるのか?




俺はそれを止めようとするが、




彼女は辛そうにしているのに大丈夫などと言うのだ。




何を言ってる。




Aが一人で苦しむ必要はない。




俺が一緒に背負ってやる。




…かと言って、彼女の邪魔をするのもどうだろうか?





だったらせめて…





俺は彼女の体を優しく包み込むように抱きしめた




楽にしてやることも出来たが、それを彼女は望んではなかったし、意見を尊重したかった




しかし、黙って見てるだけなんて俺には出来ない。






俺にはこれが精一杯だった。







だが、しばらくすると…






やっぱり耐えきれずに心の中で謝罪しつつ、彼女をそっと眠らせた

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桜柚季(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(≧∇≦)これからも更新頑張りますねっ!! (2020年7月22日 21時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
- すごく感動しました!続きが楽しみです。応援してます! (2020年7月19日 12時) (レス) id: 3b9902adf1 (このIDを非表示/違反報告)
桜柚季(プロフ) - 水無月 リムさん» 長くなってすいません!水無月 リムさんもくれぐれもお気をつけください!コメントありがとうございました!! (2020年4月27日 8時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
桜柚季(プロフ) - 水無月 リムさん» わあ、本当ですか!?ありがとうございます(><)嬉しい限りです!!よ、夜中一人で!?怖くないですか?そうですね。私も五月まで休校なので勉強についていけるか不安です。少しでも早くコロナが終息することを願うばかりです! (2020年4月27日 8時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
水無月 リム - はじめまして あぁヤバイ目から水が溢れてる この話、感動シーン多くて、夜中一人で見てるのでもうもう…。 コロナが流行してますがお互い気を付けましょう!応援してます!! (2020年4月25日 1時) (レス) id: 7764573d87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜柚季 | 作成日時:2019年11月14日 7時

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