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伝わらなかった無一郎 ページ20


*本誌のネタバレが含まれています。お気をつけください



『無一郎くんの"無"はきっと"無限大"の無なんだろうね』


上弦の壱と対峙しながら、無一郎は走馬灯のようにその言葉を思い出した。この言葉を自身にかけたのは誰だっただろうか。兄の有一郎?父、?母?いや、違う。鬼殺隊に入ってこの言葉をかけてくれた人物はたった一人だけだ。

立花A。運が悪くて、そんなに強くもなくて、泣き虫で、だけどいつだって笑顔を絶やさない女の子だった。色々なことを忘れて、思い出そうともしない自分に彼女だけは懸命に負けじと話しかけてくれていた。


『君、ほんとに弱いね。それに鬱陶しい。僕に話しかける暇があるなら少しでも鍛錬すればいいのに』


邪魔、煩い、どこかへ行け。

自分が彼女に投げかけた言葉の数々は、人として最低なものばかりだった。冷たく遇う自身を見て、彼女が困ったように、悲しそうに眉を下げて笑った顔だけが今も脳裏に焼き付いている。


「っ、」


胴体を真っ二つにされ、両腕も切り落とされた体が投げ出されゴロゴロと地面へと転がる。あぁ、もう死ぬんだなと冷たくなっていく体を感じながら冷静にそんな事を考えた。

重い瞼をが少しずつ下がっていく。虚ろな目の先には化け物と化していく上弦の壱へと不死川と悲鳴嶼が立ち向かっていた。

頼む、お願いだ、早くその鬼を、あの子の仇をどうか


『じゃあね、無一郎くん!次に会う時こそは私の名前覚えてて欲しいな』


うん、ちゃんと覚えてるよ。思い出したよ。君の笑顔も、君の声も、全部全部思い出したんだ。だからその事を早く君に伝えたかった


『A隊士は先の上弦との戦いに巻き込まれて亡くなられました』


記憶を取り戻して刀鍛冶の里から戻った時、真っ先に君の元に向かったんだよ。謝りたかった、酷いことをしたから、それで君かもし許してくれたなら、今度は一緒に笑いあって沢山話をしようって。

でも、全部全部遅かった。思い出すのも、その行動をとることさえも。音もなくほろほろと流れる涙で視界が歪んでいく。そよ風みたいな君は、さよならもありがとうも何も言わせてくれずに消えた。


その時わかってしまったんだ。


君が、自分にとって酷く大切で当たり前の存在になっていたことに



「あぁ、本当に馬鹿だなぁっ、」



最期まで君の為に何も出来なかった僕は、君に会いに行くことを許してもらえるだろうか。



もし許されるなら、今度こそ僕は、








最新話泣きました

申し訳ない→←むっつりな冨岡さん



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チョコ - 更新楽しみにしています! (2019年11月3日 22時) (レス) id: 156c93a62a (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 私も最近になって本誌派に切り替わったのですが、展開が辛すぎて.......泣きっぱなしで常に情緒不安定です。無一郎推しとしては地獄でしたあ(遠い目) (2019年10月23日 14時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - お館様のエロみてみたい・・・お願いします (2019年10月21日 13時) (レス) id: b6b3e612da (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 煉獄さん……なんかキュンキュンしちゃう鬼舞辻のエロもありだ……お願いします (2019年10月16日 11時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - 煉獄さん…なんか…うん…好きだぁ… (2019年9月21日 23時) (レス) id: 62210c11db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しきみ | 作成日時:2019年8月3日 14時

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