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かまぼこと同期の子 ページ2



「あ、あぁぁ!!!」


汚い高音が鳴り響く。目の前で目をカッと開き、口を大きく開けて叫び散らす善逸に向かってAはしーっと口元に人差し指を当てる。何故叫ぶのか、それもそのはずである。そこには少女のスカートから伸びた白い太股に頭を乗せて眠る猪がいるではないか。嫉妬に狂いながらキッと善逸はそれを睨む。


「おいこのクソ猪!!何Aちゃんのふわふわの太股で寝てやがる!羨ましいんだよチクショォォ!離れろ!」


それはそれは大音量で、下心丸出しな発言をしまくる。善逸が女の子好きなのは知っているがここまでオープンだと本当に呆れてものも言えない。苦笑いをしながら、炭治郎とAは善逸を見る。その声に目を覚ましたのか、ふがっと鼾をかいたあとAの太股で寝ていた伊之助が目を開ける。端正で女の自分よりも可愛い伊之助をAは穴が開くほどじっと見つめた。


「うるせぇな紋逸…ぶっ殺すぞ」

「はぁぁ?!お前こそ最後の言葉がそれで言い訳?!安心して地獄に行かせてやろうか?!」

「辞めるんだ善逸!落ち着け!」


今すぐにでも飛びかかろうとする善逸を炭治郎がどうどうと抑える。ごろんとAの腹の方に顔を向け、また眠りにつく伊之助の頭Aはそっと撫でる。その行為にムキーっと更に怒り出す善逸に炭治郎は困り果てた。


「くそ!くそぉなんでいっつもこいつだけ…俺だってAちゃんに膝枕して貰いたい…頭撫でてもらいたい…」


今度は弱々しく眉を下げてぐすんぐすんと泣き始める善逸にAは眉を下げる。伊之助を特別扱いした訳でもないし、どちらかと言うといきなりとっ捕まえられて不本意な状態でさせられているのだが、こんなに羨ましがられると逆に少し照れてしまう。


「善逸くんも、言ってくれたらこれくらい私するよ」

「え?!ほんとぉ?!」


先程の涙はどこに行ったのか、鼻の下を伸ばしてによによと笑い出す。本当に調子がいい奴だ。機嫌の良くなった善逸に、良かったなと炭治郎が声をかける。善逸はぬか喜びをしながらも、炭治郎の顔が見れないでいた。

善逸は知っていた。この場にいる誰よりも、自身よりも嫉妬に狂った男がいることを。爽やかな笑顔を張りつけながらこめかみにはしっかりと怒りマークをつけて、伊之助を呪い殺すような音を出しているこの自身の大切な友人がAのことを非常に好いていたことを。


「(俺も伊之助も死んだわぁ…)」


せめて膝枕をしてもらった後に殺してくれよ、炭治郎

ネタ詰め*必読→←錆兎とスカート



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チョコ - 更新楽しみにしています! (2019年11月3日 22時) (レス) id: 156c93a62a (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 私も最近になって本誌派に切り替わったのですが、展開が辛すぎて.......泣きっぱなしで常に情緒不安定です。無一郎推しとしては地獄でしたあ(遠い目) (2019年10月23日 14時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - お館様のエロみてみたい・・・お願いします (2019年10月21日 13時) (レス) id: b6b3e612da (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 煉獄さん……なんかキュンキュンしちゃう鬼舞辻のエロもありだ……お願いします (2019年10月16日 11時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - 煉獄さん…なんか…うん…好きだぁ… (2019年9月21日 23時) (レス) id: 62210c11db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しきみ | 作成日時:2019年8月3日 14時

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