今日もこれからも、帰りたい場所がある➊

第十二話　　どうすればいいの？ ページ12

どうしよう・・・

夜になってベッドに入った私は、ゆいかちゃんのことを考える。

今日も、一日中ゆいかちゃんのことで頭がいっぱいで、授業に集中できなかったんだ。

その時、突然「幸花、この問題を解きなさい」って先生に言われたけど、授業を聞いていなかったから答えられなかった。

先生に、「この問題は答えられるようにしておいたほうがいいぞ。答えられないと自分が困るぞー」って言われた。

こんな悲しいときに、注意されてしまった。最悪だ。今日は何もいいことがない。

なんで？私以外の子は、そういうことがないの？私だけ不幸なの？

神様、ひどいよ。私だけを不幸にさせないで。

心が締め付けられる。まるで心をナイフで深く差されたみたいに胸が痛い。

考えれば考えるほど悲しくなって、涙があふれだしていく。

そして私は、泣きながら寝てしまったんだ。

朝起きると、頭がぼーっとして、何も考えられない。

昨日、何があったか忘れてしまって、ベットの上に座って、思い出そうとした。

それから五分くらいたつと、急に思い出したんだ。

昨日のことを思い出したとたんに、重い岩が自分を襲ってきたような気がした。

そのことをそれ以上考えたくなくて、とりあえず一階に降りていった。

「おはよう！」

お姉ちゃんとお母さんが元気に挨拶をしてくれる。

お父さんは、もう会社に行っているんだな。

そっか。昨日、今日は早く出るって言ってたもんね。

「おはよう」

私があいさつをすると、お姉ちゃんとお母さんが、びっくりしたような顔で私を見つめた。

「幸花、なんか、元気がないみたいだけど、なんかあった？」

お母さんが心配してくれている。

でも、ゆいかちゃんとケンカしたことなんてお母さんに言えないよ。

「ううん。なんでもないよ！」

私はわざとらしい笑顔で答える。

これが精いっぱい。こんなに悲しい気持ちの時に、元気に笑顔に挨拶なんて、できるわけない。

そして、私は暗い気持ちのまま、学校に行ったんだ。

「おはよう幸花ちゃん」

学校に着くと、真っ先にゆいかちゃんが私に挨拶をしてきた。

いきなり何？最近は全然話しかけてこなかったくせに。

「おはよう・・・」

私は今日も暗い返事を返す。いい加減気づいてよ。私がゆいかちゃんとさゆりちゃんの話を聞いて、すごく傷ついたこと。

すると、突然ゆいかちゃんが真剣な顔で私に言った。

「ねえ、幸花ちゃん、話があるの」

え？一体何？

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