今日もこれからも、帰りたい場所がある➊

第二話　　夜の話し声 ページ2

最近、夜遅くまで起きている私は、話し声を聞くんだ。お母さんのななみと、お父さんの登(のぼる)の話し声が、お母さんの部屋から聞こえるの。

お母さんとお父さんの話し声が聞こえるのは全然不思議じゃないんだけど、内容が不思議なんだよね。

「そうね。私もそうしたい。」

「うん。そっちのほうが環境も良くて幸花たちにもいいだろうしな。」

「お庭も広くできて、そうちゃんも喜ぶだろうしね。」

何の話だろう？予想がつかない。お母さんたちから、特別な話は聞いていないし。

うーん。なんだろ。まあ、私たち子どもには関係ないことかもしれないけど。

でも、さっき私たちの話もしてたよね。どういうこと？

環境がいい？お庭を広くできる？お母さんたちになんかあったのかな？

まあ気にしないのが一番だよね。深く考えないほうがいいということもあるし。

もうこんな時間だし寝よう。明日もゆいかちゃんたちに会えるの、楽しみだなあ！

そして、今日みたいに鬼ごっこしたいなあ。

そんなことを考えていると、猫のそうちゃんが、階段を上って２階にいる私の部屋に入ってきた。

「にゃー」

「あれ？そうちゃん、なんで私の部屋にいるの？」

自分の部屋のドアのほうを見てみると、ドアが開いていた。

すっかり閉めた気になっていたけど、開けっ放しだったんだな。

そうちゃんの寝る場所は、一階にあるんだ。

「お母さんか、お父さんの部屋に入ればよかったのに。お母さんもお父さんも、そうちゃんのことが大好きだから、もしそうちゃんが入ってきたら、喜ぶだろうな。」

そうちゃんは、お庭で遊ぶのが大好きなの。私も外で遊ぶのが大好き。だから、天気は晴れがいいんだ！なんかそうちゃんと私、似てるな。

そうちゃんのためにも、私のためにも、明日も晴れるといいな。

きっと晴れるよね。

天気も、気持ちも。

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