immortelle

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『…ん？』



「俺、Aちゃんのこともっと知りたい。それでAちゃんにも、俺のことたくさん知って欲しい」

「ごめん、俺…あんまりマジになった恋愛とかしたことなくて。だから、こんなガキみたいな発想しか出てこないの」








少し切なそうな顔をして、ヘラっと笑う深澤くんに、言葉が出なくて。









きっと、彼なりに私の気持ちを汲んでの発言なんだろう。





始まりはほとんどナンパで、蓋を開ければ仕事仲間の元カノで。


いくら好きだったアイドルとはいえ、至って普通に出会った相手としか恋愛してこなかった私が戸惑うのは当たり前。









そんな深澤くんの優しさに触れて、私の胸は音を立てる。


彼の優しさが、心の底から嬉しかった。









『じゃあ…今日から、お友達ね？』




立ち上がって手を差し出す私の手を深澤くんが一瞬見つめて、目を細めて微笑む。





「おー、楽しいことたくさんしような」






私の手を握った深澤くん。









きっと、この手をずっと握っていれば、大丈夫。




さっきまでの不安は払拭されて、そんな風に感じた私はもう深澤くんに溺れていたんだろう。









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