【呪術廻戦】ガチ恋した相手がまさかの“男”だった件について【五条悟】

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｢あの、離してくれません？オッサン｣

｢その呼び名だけは止めろって前から言ってんだろ、さては照れ隠しか？｣

｢プロのヒモオッサン｣


｢余計酷くしてんじゃねぇ｣



２人で繰り広げられる茶番は、完全にナンパ男を蚊帳の外へと追い出していた

それもいきなり現れた体格の良い、通称オッサンに戸惑いが隠せていない


｢あのー…いきなりなんなんですか？僕が先に彼女へ声をかけましたよね？｣


｢あ？まだ居たんか、とっとと消えろ、こいつは俺の女だ｣

｢何言ってんだちげぇよ｣



｢…お前なぁ…この場を切り抜けるために合わせるとか出来ねぇの｣

｢嫌だ、オッサンの手ぇ借りるくらいなら俺がやる｣


｢…A………さては体調崩して馬鹿になってんな？｣


抵抗するA(伏黒からすれば仔猫の抵抗に等しい)を覗くようにして顔を見ると、疲れからか目の下にはうっすらと隈が見える


…こいつホント馬鹿だな


色んな意味でAの無神経さに呆れてしまうが、今はそうしてる場合じゃない…茶番もね


｢とにかく、こいつは俺のだ｣

｢だから違っ…ぅわ…！｣


意見を聞く気なんて一切ない彼は、そのままAを軽々と抱き上げると、人間業とは思えない速度でこの人混みをかき分けていく


待て！！と男の声が後ろからしたが無視だ無視



｢離せって…！俺は今から高専に…｣



｢“元カレ”、だっけか？お前のこと探してるらしいな｣

｢…｣


少し揶揄うように言った伏黒の言葉は、Aの癪に障る行為だったらしく、眉間に皺を寄せて口を噤んだ


ムカつくが、それ以上の反論は無駄と思ったからだ


代わりに大人しく伏黒の肩に頭を預ける




｢…またかよ、つかカレシじゃねぇし｣




脳裏に焼き付いた、１０年前の悲劇






｢お前って罪な男だよな｣

｢ただの黒歴史だっつーの｣




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