パズルのピース ページ49
.
不安が残ったまま見つめていれば、チリは不意を付かれたという様に目を丸くした
ウチの顔なんて忘れたって
｢覚えてたんか…｣
｢今、思い出しました
…あの時は、いつも以上に疲れてて…話を聞いてほしくて…聞いてもらったのに…
それなのに私、忘れるとかホント最低だ
うぅ…ごめんなさい｣
色々と逃げたり壁ドンされたりとややこしい感じだったのに…それ以前からすでに会っていて、初対面なのに極限超えてた私は重い話させた挙句、知人なんていう予防線貼って嘘つくとか…しかもそれ全部覚えてなかった私に気を使わせていたぁあ…！どうしよう姉さぁぁん！！
…心もかなり荒れていた
｢もうええって、辛かった時期なんやろ？なら覚えてへんでもしゃーないやん｣
｢…本当は？｣
｢…ちょっとショックやったんは事実や…けど大丈夫やさかいに、ほら！自分も気にしない！｣
本当にこの人は優しすぎる…何度もやらかしている相手にもこうやって接してくれるんだから罪悪感でまた目から涙が出てくる
悪いのは私なのに、涙なんか流して情けない
｢あーあー、せっかく涙止まったっちゅーのに…そんなんええねん｣
｢仕方ないじゃないですかぁ！！｣
｢泣きながら逆ギレせんとって！？｣
先ほどの号泣に比べれば、幾分かマシだがまた泣き出すA
涙を拭おうとする手をチリは掴んで、代わりにハンカチを持たせた
そのままAの隣へと腰掛けて背中をさすってあげる
｢チリちゃんは優しすぎるんですよぉ！はっきり言わないと私…わたし成仏出来ないです！｣
｢あの世に逝ってもろうたら困るわ！
えぇ…じゃあ提案やねんけど、チリちゃんへお詫びの印として一回その敬語やめてみいひん？｣
｢ズビッ…え？｣
｢癖になってるんやったら話は別やけど…ずっと気になっててん、それで今回のことはチャラや｣
｢…そんなことでいいんですか？｣
｢そんなことって…ほら
｢うっ…わ、わかり…分かった｣
ハンカチを握りしめて、眉を下げて困ったように言うその姿にチリは満足そうに笑った
Aという人間が何を思っているのか…その謎がまた一つ知れたような気がして純粋に嬉しかった
パズルのピースが埋まったみたいに、でもそれは決して全てではない
やっと１ピース埋まったぁ…！といった感じ
…Aちゃんのこと知るには、これから長い付き合いになりそうやな
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きら(プロフ) - パピコさん» コメントありがとうございます！ですよね！チリちゃんの妄想が止まらなくてつい書いてしまったんです。ちなみにアンケートの件、実際どうでした？。ブルロの推しかぁ…結構分け隔てなく推しているんですが、強いて言うなら潔くん蜂楽くんですかね*´꒳`* (2023年2月23日 11時) (
レス) id: a4108a0bcf (このIDを非表示/違反報告)
パピコ(プロフ) - 初コメ失礼します。小説とても面白いです！チリちゃんの小説割りと少ないのでチリちゃんの面白いのあって嬉しいです。あと余談なのですが、私もブルロ沼ってます！ブルロいいですよね〜。誰推しとかありますか？私はお嬢、凪くん、蜂楽推しよりの箱推しです！ (2023年2月23日 10時) (レス) @page42 id: 1442eac3b7 (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - 餅さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けるなんて恐縮です(￣^￣゜)文章力は貧しいかもですが、これからもこの作品をよろしくお願いします(>人<;) (2023年2月9日 3時) (レス) id: a4108a0bcf (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - 初コメント失礼します。一番初めの導入でグッと引き込まれてから、面白くてあっという間に読み終えてしまいました…！先程お気に入り登録致しましたので、続きを楽しみにお待ちしております！ (2023年2月8日 21時) (レス) id: 2288440125 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きら | 作成日時：2023年1月23日 21時
