魅入る光景 ページ31
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｢ワン！ワン！｣
｢んー…イワンコ、おはようさん｣
｢ワン！！｣
｢朝から元気やなぁ｣
そう言うなりしっぽを振って喜びを表現する姿が微笑ましい
ホームステイ先で飼われているイワンコは、人懐っこくすぐにチリと仲良くなった
今日も朝一番に顔を舐められ、顔中ベトベトになるのがお決まりになりつつある
｢ふあぁぁ…｣
大きな欠伸を零しながら、カーテンを開けると見えるのは一面に広がる快晴の空に反射して輝く海
２階から見える朝の景色は、いつ見ても綺麗で南国ならではの澄んだ空に心も落ち着いていく
｢…ん？なんや？｣
いつもなら、それで今日の一日が始まるはずなのだが今日は違った
こんな朝早くに誰かおる…
チリはある人影を見つけて、目を凝らしよく見てみる
｢…｣
こちらに背を向け、海辺で佇む少女
輝く海を背景に、白のワンピから覗く華奢で日焼けを知らない肌
潮風に吹かれた金の長髪は、絹のように繊細に動いていて、時折り太陽の反射が美しくさせる
その少女は見たところチリと同い年か年下…なのに、どこか哀愁を漂わせる雰囲気
そんな不思議な感覚に、チリは時間を忘れて吸い込まれるように魅入ってしまう
綺麗や…
この地方に来て、見慣れない景色に何度も言ってきた言葉だが、今見ている後ろ姿…
それだけで、どの景色よりも美しいと感じてしまった
｢…！｣
すると、少女は動きを変えてゆっくりとこちらに振り向いていく
そのシーンが、やけにチリの目にはスローモーションに見えて、思わず息を飲んで瞬きさえせず今か今かと待ち望んでしまう
なぜか心臓も脈打ってうるさい
あと、少し…
…ン…ワン…ワン！
｢ワン！｣
｢うわ！なんやねん！！｣
突然、割り込むようにして入ってきたイワンコの鳴き声がチリの鼓膜を揺らしたことに、肩をビクつかせ驚きを隠せない
｢ワン！｣
｢急にそない大声出さんとってよ…｣
ビビるって…とまた違う意味で鼓動が早い心臓を抑えていると、ハッとして先程の少女に目を向ける
…が、もうすでにその姿はなかった
まるで、ケーシィのテレポートでも使ったかのように一瞬で…
｢…幻覚？｣
なら朝から恐ろしいもん見たなと、チリは下から呼ばれる声にはーいと生返事で返しながら、支度を始めた
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きら(プロフ) - パピコさん» コメントありがとうございます！ですよね！チリちゃんの妄想が止まらなくてつい書いてしまったんです。ちなみにアンケートの件、実際どうでした？。ブルロの推しかぁ…結構分け隔てなく推しているんですが、強いて言うなら潔くん蜂楽くんですかね*´꒳`* (2023年2月23日 11時) (
レス) id: a4108a0bcf (このIDを非表示/違反報告)
パピコ(プロフ) - 初コメ失礼します。小説とても面白いです！チリちゃんの小説割りと少ないのでチリちゃんの面白いのあって嬉しいです。あと余談なのですが、私もブルロ沼ってます！ブルロいいですよね〜。誰推しとかありますか？私はお嬢、凪くん、蜂楽推しよりの箱推しです！ (2023年2月23日 10時) (レス) @page42 id: 1442eac3b7 (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - 餅さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けるなんて恐縮です(￣^￣゜)文章力は貧しいかもですが、これからもこの作品をよろしくお願いします(>人<;) (2023年2月9日 3時) (レス) id: a4108a0bcf (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - 初コメント失礼します。一番初めの導入でグッと引き込まれてから、面白くてあっという間に読み終えてしまいました…！先程お気に入り登録致しましたので、続きを楽しみにお待ちしております！ (2023年2月8日 21時) (レス) id: 2288440125 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きら | 作成日時：2023年1月23日 21時
