成り代わ、り？ ページ6
確かにAはマキマの能力を持って産まれたが、キャラそのものに成り代わるには大前提として、ガワ──つまりは容姿が該当キャラと同一でないと成り立たないものだ。
彼女は確かに顔立ちは整っている方だが、髪は日本人のイメージらしく黒だし、容姿で唯同一の部分は、同心円状の黄金色の瞳だけだった。
それだけを見るならば、マキマよりもナユタの方が容姿が似ている。
おまけに性格そのものもあまりマキマとは似ていない。もうその時点でマキマには程遠い。
……まぁ、唯一の妥協点として内面的に似ている箇所を挙げるなら、両者揃って厄介オタクな所だろう。
マキマがチェンソーマンに対して自分の解釈を押し付けていたように、Aもマキマに対して独自の解釈を押し付けている節があるのだ。
だがそんなものは似ていたところでどうもなりはしない。
A自身はそれに気づいてはいたようだが、彼女の変なところに作用する頑固さと、冷静になり切れていない頭がその問題を見て見ぬ振りをさせた。
きちんと成り代わらねば、支部で見たいろんな成り代わり小説のように！
この様に、謎の使命感だけが残ってしまったのだ。
Aは明日から早速マキマムーブをかますことにした。
＊
結果的に言うと、それは失敗に終わった。
オタ友としての付き合いも四年目に突入する友人二人に、見事に笑われたのだ。
「成程、早めに到来した厨二病という訳ですか……」
「大丈夫だよ、A。例えどんなになっても、私らズッ友だから！ ……ンフッ。だめだ堪えきれない！」
そしてまた腹を抱えて笑い出す。
Aは途端に恥ずかしくなって土に埋まりたくなったが、なんとか堪えて前世のことや『チェンソーマン』の話、そこに出てくるマキマのことを特に熱心に話した。
前世のことなんて家族にすら話せないが、なんせ彼女らは自分と同じオタクである。なんとか理解してくれると思ってのことだった。
＊
実際、前世のくだりやAがマキマの能力を持って生まれたことに関してはすんなりと理解してくれた。
しかし、マキマの成り代わりだ、と言う点には二人揃って首を傾げた。
性格や口調は演じればどうにかなるだろうが、どこか抜けていてドジをやらかすことがあるAはいつか絶対ボロを出すし、能力と瞳くらいしかマキマと同一の箇所はないからだ。
結局、二人がそれを指摘する前にAは帰ってしまったのだが。
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息抜き(プロフ) - 真昼さん» コメント有難う御座います！ 良いですよねぇ、ハリポタとチェンソーマン。 (2023年1月12日 22時) (
レス) id: aff75be4a1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 好きな物語がクロスオーバーされていて、嬉しかったです！ (2023年1月12日 17時) (レス) id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：息抜き | 作成日時：2022年12月17日 17時
