桜姫～桜姫と雪原の皇子～ (ページ14)

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１２話ページ14

「なあおい、何であのヒョロガリじゃなくて
あの子が試合すんの？」

「知るかよ。
！、もしかして、なんだかんだ言いながら本当は俺らと遊びたいんじゃない？」

「えなになに？ツンデレ的な？カワウィ〜」

遊園地を一度出て櫻達は近くのサッカーコートまで来た

隣の離れたベンチで談笑するチャラ男達を見た後

勝負に参加しない事になった土門は、改めて櫻に尋ねた

「いいのか？櫻。
あいつ等くらいのレベルなら俺と風丸で十分だと思うぞ」

『うん。私が受けた試合だし
なるべく早く終わらせたいでしょ。
ところで風丸君』

「？、なんだ？」

『風丸君ってシュート撃てる？』

「あぁ、一応」

「風丸は元陸上部だからな。
どっちかっていうと、足の速さを活かしたドリブル力が風丸の武器だよな！」

「まあな」

『そう、なんだ』

「櫻は撃たないのか？シュート」

『…私はパスを繋げるのが役割だから』

「そうか…」

そして数分後、風丸と櫻はボールを持って

センターラインの真ん中に立った

「一点先取！負けても文句無しだからな！！」

「レディファーストだよ。
君達の、好きなタイミングで始めるといい」

「完全に舐められてるな…」

『ん。とりあえず風丸君は何も考えずにゴールまで走ってて』

「？、分かった」

pi-------

審判役の土門が笛を鳴らす

2対2のサッカーバトルが始まった。

風丸はボールを櫻へ渡すと彼女に言われた通り

すぐさまゴールへと走った

「貰ったよおジョーちゃん♪」

ボールを持つ櫻の方に金髪のチャラ男が攻まる

近くまで来たその男の足が櫻の足元にあるボールに届く前に、

そのボールは強烈なスピンがかかった状態で高く飛んだ。

櫻がつま先でボールを弾きそれによって出来た回転を殺さないまま

弾いた足でボールを下から斜め前に蹴り上げたのだ。

その場の全員が彼女のボール捌きに驚き空を見上げる。

蹴り上げられたボールを呆然と立ち尽くして見ている金髪男の横を走り抜けると

櫻は落ちてくるボールとタイミングを合わせて飛び

もう1人のサングラス男の頭の上でボールを足でトラップし

器用にも空中でゴール前へ走っている風丸にパスを出した。

ボールは此処だという程、的確な位置に届き落ち

流れるような動作で風丸は目の前の無人のゴールへシュートを決めた。

櫻・風丸チームの勝利だ。