【番外編】桜の似合う人2 ページ17
ひらひらと舞っていた桜がミツバの持つ湯呑みに落ちた
「この時期ならみんなでお花見したいですね」
美しく散っていく花々をみてAは話した
「ええ、昔は十四郎さん達と毎年庭でやっていたわ」
私も小さい頃によくやっていたなと思い出すがみんなで楽しく何か食べていたという記憶はない
思い出すのは花見なのだからおとなしい遊びものをと叩いてかぶってジャンケンポンをする晋助さん達
『お前強く叩きすぎだろ!』
『後出ししたのはどっちだよ!!』
見ていた私から見れば、あれは普段の稽古と変わらずただの喧嘩だった
「ふふっ、私のほうはお花見とは言えなかったかもしれないです」
吹き出す私を見てミツバさんはあらそうなのと目を丸くした
でも、ミツバさんと一緒の花見なら楽しいのだろうなととても思う
ひらりと散っていく桜を見上げる彼女をみてAは思う。
ずいぶん前にその命は散ってしまっても
その儚さと
華奢ながらの美しさと
傍にいて感じるほのかな優しさに。
「ミツバさんは桜が似合いますね」
そうかしらと散ることのない表情で彼女は笑った。
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攘夷組にもミツバさんみたいな見守っている子がいたらいいのになぁという考えもあってこのひまわりの最期を製作しました。
なので二人はよく似ていいますが、ミツバさんと主人公には絶対的な違いがあります。
それは主人公は最期まで高杉さん達の生き様について、彼ら本人には何も言及しなかったということです。
ミツバさんは最期、沖田さんの頰に触れ不器用に生きる貴方達が大好きだったと伝えます。
ですが主人公は見ているだけで何もできない、読者の立場を体現している子なので考えはしていても最期に会えた高杉さんにも幸せだったと告げるだけで人生を終えます。
ここは製作当時、特にこだわった点です。
お読みいただきありがとうございました。
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ポテト(プロフ) - とても素晴らしい作品でした。作っていただきありがとうございます。 (2022年8月2日 1時) (レス) @page35 id: becea61854 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - みーこさん» 中学生はとても感情が複雑でそれに受験が重なると苦しいことが多いかもしれませんがあまり気負わずご自身が出せる力を出して自分に合った場所を探せるといいなと思います。疲れたらいつでもひまわりの彼女に会いにきてくださいね! (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - みーこさん» たくさんの作品にたくさん感動していた側の自分が新しく作品を作りあの頃の私のように感動してくださる方がいらっしゃるのはとても感慨深いです。 (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - みーこさん» 愛情こもったコメントありがとうございます。嬉しすぎて泣いてしまいました。私もみーこさんのように読み漁っていた時期があり一通り読んだ後にもっとあんな設定でこんな文章の作品が読みたいと考えるようになったのがこの小説の執筆を始めたきっかけです。 (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - やっぱり素晴らしいですね。花言葉のエモさを理解したし、色んなことを教わった作品。ボロ泣きした夢小説は少ないんですけど、そのひとつでした。今どうかはわかりませんが、この作品は永遠に不滅だと思ってます。銀魂が終わってもまた、訪れさせていただきます。 (2020年10月28日 21時) (レス) id: 322bb6492e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴 | 作成日時:2018年8月14日 23時