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「あれ、伊東君?」
「宜しく、南」




四月の最後の週。
二軍の部室を、一人の少年が訪れる。

ノック音の後入って来たのは、同じクラスの伊東陸君。眼鏡を掛けた、爽やかな少年で在る。

座って座って、と彼を奥に招き入れた。



「伊東君って、二軍に上がったんだ」
「知らんかった?」
「通りで三軍のリストに無いと思った」
「あはは、そりゃどーも」



彼が腰掛けるのを確認して、どうぞとお茶を出す。
お互い、ホッと息を吐いて其れを口にした。
梅唐辛子茶、相変わらずの美味で。



「こんなに話す機会無いからな、良かったよ」
「そう?」
「南のお陰で昇格出来たと思ってるしね。改めてありがとう」
「有難きお言葉、感謝します」



あはっ、とお互い笑みを零す。

伊東君は、クラスの中でも話し易い方で有る。最初の頃は、私に嫌悪感を抱いて居た様に思う。けれど、今彼から其の様な感情は感じ無い。


良かった。


彼が擦れてしまった眼鏡を掛け直す。

ふぅ、ともう一度息を吐いて伊東君と目を合わせた。




「早速で悪いけど、色々聞かせてくれるかな」

「いいよ。そうだね、二軍は____」




あっという間の十五分間。


私はメモを満足に取れたので最後ににっこりと笑う。




「ありがとうございました。ご協力感謝します」

「いや、此方こそ。……実は、こんなに話す予定では無かったんだけど」




照れ臭そうにそう言う彼は、確かに少々恥ずかしい話をして居たかもしれ無い。




「秘密は勿論厳守します。伊東君は比較的話してくれたから嬉しかったな」

「どー致しまして。んじゃ、俺行くね。お疲れ」

「うん、お疲れ様でした」

「あ、俺さ、」




ドアノブに手を掛け、後ろを振り向きながら彼は微笑んだ。






「マジで感謝してるから、あんがとね」






バタッ




私のきょとんとした顔を見て薄く微笑みながら、彼は部屋を出た。

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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時

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