【黒バス】あ か こ こ ろ【赤司征十郎】

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入学からおよそ二週間が経とうしていた。

春休み明けテストではまぁまぁの成績を残し、授業にも慣れて来る頃。

皆、何の部活に入るかの話題でもちきりである。

其れは目の前にいる友達も同様の様で。




「ね、Aは何部に入んの？」
「えっーっと…………」




実は、まだ決めて無いんだよね。

無邪気に笑う梅ちゃんに、苦笑いをする。



「まぁまだ時間あるし、ゆっくり決めたらいいよー」
「うん、そうする」



じゃあね、と言って私達は別れた。

彼女は既に新聞部に入部を決めている様で、部室へ早々と向かっていった。

みやちゃんは中学から続けているオーケストラ部。

私、は…………。








本当に、どうしようかな……。







ふぅ、と鞄を肩にかけ直す。



部活動紹介や熱心な勧誘の中、私は特に魅力的だと感じる部活が無かった。

……このままだと、帰宅部になるかも。

まぁ、其れは其れでいいかな。



窓の外を眺めると、激しい雨が降り注いでいた。

どんよりと暗い空。

何だか、気分までどんよりとしそうな。






…………行く宛も無いので、今日もバスケ部を観に行く事にしよう。






決意して、私は足を早めるのだった。






私は、ほぼ毎日『放送部屋』に通い詰めている。
其処からバスケ部を眺め、元気を頂いているのだ。

今の所誰も其れを知らない。

…………罪悪感は、まぁ其れなりに有るのだけれども。










だから、今日も何時も通り。









鍵を開けて、階段をゆっくりと登る。

来週が大会だから、其れに向けた練習かなぁ……、とか考えながら。






そう。






何時も通り、だったのだ。









＿＿＿＿新学期に入ってから、本日初めて雨が降っていた事以外は。

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