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入学式。ガチガチに固まる生徒達(きっと外部進学組だけだ)は、ピクリともせずに座っていた。
勿論私も其の内の一人で、先程から震えが止まらない。友達出来るといいなぁとぼんやり考えながら、校長先生の話を真剣に聞いている振りをした。生憎、言葉は綺麗に右耳から左耳へと流れているが。
そんな私の耳の奥に、ハッキリと、ある名前が入る。
「新入生代表宣誓、赤司征十郎」
「はい」
……え?
いつの間にやら校長先生は壇上から離れていて、代わりに赤髪の少年が現れた。
会場が、一気に騒つく。
……今、なんて言った?
其の姿と、其の名前。其れを聞いて、ビクッと体が反応する。ぼうっとしていた頭は急に働き出し、回転を始めた。目の前で堂々とマイクの高さを調節した彼の顔をじーっと見つめる。
『赤司征十郎』
洛山高校、同じ一年生、__赤髪。
……間違いない。
バスケに少しでも知識がある人で、彼を知らない者など最早居ない。
彼は、帝光中学校出身、元キセキの世代主将__
赤司、征十郎、だ。
此の高校からの推薦を受けた、と噂では聞いていた。__だけど。
本当、だったのか。
周りの生徒や保護者も、同じ事を思った様だ。『開闢の帝王』なのだから、後から考えれば至極当然の事だったのだけれど。
中々静まらない空気を、先生達が必死に抑え込んでいる。
其れにも関わらず流暢に話し始めた彼の姿に、大多数の人々が見惚れていた。私も、呆気に取られて言葉が出なかった。いや、出ては不味いのだが。
__此の人のバスケが、見られるのか。
此処で。彼の、バスケが。
そう思うと興奮が収まらなくて、武者震いの様なものを感じた。少し息も乱れてきたような気もする。
私は、何て幸せなんだろう。
現在の二年生にはあの無冠の五将が三人もいるし、何て考えるとますます気分は上昇した。
「__新入生代表、赤司征十郎」
はっ。
気がついた時には既に話し終え、彼は凛とした表情で踵を返していた。
残念ながら、内容はこれっぽっちも頭に入っていない。
一刻も早く彼のプレイが見たいなぁなどとそんな事を願って、私は再び考え込んだのだった。
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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時