心外 ページ9
*
……そう。私はどういう訳か、私の直属の上司である沖田隊長に嫌われているようなのである。それが、私が真選組に入隊してからというものの、ずっと抱えている悩みなのであった。おかげで毎日気が重い。
…私が小言や説教を垂れ流しすぎているのだろうか。いや、結果的に垂れ流しまくっているのだが。少し喧しいのだろうか。いや本人はきっと喧しいと思っているに決まっている。だが、副長から与えられた『一番隊副隊長』という役目を全うしなければならないのだ私は。
『お前の上司は少々難アリだ。その尻拭いと言っちゃァあれだが…』
総悟の補佐的なものについてくれねぇか、と。私の真選組の入隊が決定してから副長に私はそう命じられていた。そのため、なんてことか、私はあの自由奔放、ドS上司の部下になってしまったのだ。
…そして、まぁ、今に至る。
思えば、沖田隊長に言われた台詞と言えば。
『不細工な面』
『うるせーな』
みたいなのばっかりだ。それに、私が彼に言う台詞も、
『起きてくださいよ!』
『会議遅刻します!』
『サボらないでください!!』
『仕事してくださいよ!!』
『ちょっと副長に怒られます!!』
みたいなのくらいのもの。毎日のように繰り返されるやり取りである。
……沖田隊長は確実に私を嫌っている。100%嫌っている。
「……私がこんなんだから、ダメなんですかね…」
「……うんん……あのよォ…」
なんで俺の部屋に来てんの?、と。副長は筆を片手に頬をひくつかせてそう言う。私はというと、副長室の隅っこで体育座りをしている。
「お前、仕事はどうした」
お前までサボり出したら、いよいよ俺達はダメだぞ、と。真顔で言われてしまう。心外だ。
「仕事なら、昨日とさっきであらかた片付けて来ましたよ…」
…会議の日から数日が経過した日の昼下がり。夏がだんだん終わりを迎え、まだほんの少し蒸し暑さが残る今日この頃。私はこの日も一人、資料の山と格闘していた。戦いをほぼ終えたからこうして来ていたのであって、サボりをかまして来たわけではない。
…どこぞのサボり魔隊長じゃあるまいし。
「総悟は…、」
「サボりに勤しんでます」
「……だよなァ…」
はああ…と、二人分の溜め息が部屋に響いた。
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ゆきふく(プロフ) - 好きすぎて2週目に入りました。またお世話になります。笑 (2月9日 15時) (レス) id: c898271006 (このIDを非表示/違反報告)
雨散 - ああああああああああああああああ (2019年8月5日 14時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - 私は沖田さんになんてことを........ (2019年3月29日 15時) (レス) id: 544b2fa555 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - ちあきさん» ちあきさん!ありがとうございます!!返信が遅れてごめんなさい!!一巻の沖田さんはツンデレが大きく出てますね(笑)甘々な沖田さんがこれから出てくるかと思われるので、甘い彼もご堪能くだされば幸いです!!お楽しみくだされば嬉しいです!! (2018年6月1日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 沖田くんのツンデレええですね(笑) (2018年5月12日 22時) (レス) id: 3135ea492c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年9月11日 17時