飛ぶ ページ6
ドカアアアアン!!と。
真選組屯所に、恐らくはご近所さんにまで轟いただろう爆発音。そして、副長の悲惨な悲鳴。悲鳴というより、断末魔の叫び、と言った方があっているかもしれない。というか、そんなことを言っている場合ではなく。
「…ふ、」
「副長オオオオオ!!!」という私の叫びも恐らくは響き渡った。隊長の部屋からは煙が上がっており、それは縁側を抜けて庭にまで達している。煙がゆっくりと消えていき、庭に副長が白目を剥いて倒れているのが見える。言葉を失う。当然だ。だって想像してみてください。
……上司が飛ぶんですよ。
そんなの目の前で目撃したら言葉を失い身動きが取れなくなるのは必然的である。無理もない。一人であわあわとしていれば、「ふぃ〜」なんてお気楽な声が聞こえてきて。
「……ったく朝から喧しいんですよ土方コノヤロー」
「た、隊長…!」
そう。副長を殺った(?)のは間違いなく彼、沖田隊長である。100%そうだ。証拠に今現在進行形で彼の肩には真っ黒い大きな物体が乗っている。黒光りするそれはバズーカであり、副長を吹っ飛ばしたのもそれだ。
……ていうかソレ、何処から出したんですか。
「何をしてるんですか貴方は!!ご近所迷惑でしょう!?」
「土方さんの心配じゃねーのかよ」
「副長はそう簡単に死なないですもん!」
「……へぇ」
あああどうしよう。ご近所からまた騒音のクレームが来たらどうしよう。
と、私の頭の中はあっという間に「どうしよう」で埋めつくされていく。頭を抱えていれば、「ふん、」と鼻をならしながら自室へとまた入っていく沖田隊長。
「ちょ、沖田隊長…!?」
まさかまた寝るのではと警戒した私は隊長の腕を掴み「もう寝ないでくださいよ折角起きたんですから」と。
……が、それは意図も簡単に振り払われ。
「寝ねぇよ。だからさっさと出てけ」
「…ッ、」
……目も合わせず、冷たい声でそう言い放たれる。
それに何かを言い返すことも出来ずに口を引き結ぶと。
「……着替える」
「…え」
「俺の着替えが見てぇんなら居ても構わねーぜ」
「出ていきます!!」
即座に部屋を出てスパンッ、と、襖を閉めた。
1674人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきふく(プロフ) - 好きすぎて2週目に入りました。またお世話になります。笑 (2月9日 15時) (レス) id: c898271006 (このIDを非表示/違反報告)
雨散 - ああああああああああああああああ (2019年8月5日 14時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - 私は沖田さんになんてことを........ (2019年3月29日 15時) (レス) id: 544b2fa555 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - ちあきさん» ちあきさん!ありがとうございます!!返信が遅れてごめんなさい!!一巻の沖田さんはツンデレが大きく出てますね(笑)甘々な沖田さんがこれから出てくるかと思われるので、甘い彼もご堪能くだされば幸いです!!お楽しみくだされば嬉しいです!! (2018年6月1日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 沖田くんのツンデレええですね(笑) (2018年5月12日 22時) (レス) id: 3135ea492c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年9月11日 17時