声 ページ13
「剣術には……自分で言うのもちょっとアレですけど…自信はあります…!!」
道場にずっと通っていたので…!と。少しでも真選組になれる可能性があるならばと、私はそう彼等に言った。必死すぎて少し身を乗り出してしまう。けれど、剣術に自信があるのは本当のことである。
廃刀令のご時世で、10年も前に道場は潰れてしまったけれど、それまでずっと剣術を習ってきたし、その頃私は、道場の中で『神童』と言われていた。そこでだけの話だから、大したことはないけれど。道場がなくなってからも、同門の皆と、こっそり山の中とかで稽古を積んでいたのだ。
『カッコいい!お姉ちゃん!』
…小さな声援を受けながら。
「皆さんと比べたら、まだまだ未熟ですが……戦えます、私も…!!」
「……、」
……ずっと思ってた。私が培ってきた剣が、いつか誰かを護る剣になれたらと。護りたいものも存在していた。だからこそ、松平さんに真選組を勧められて、頷いたんだ。 ここでなら』って、そう思ったから、私はここに来た。
「…皆さんの足手まといにならないように精一杯…」
……頑張るのは、当然だ。
「…精一杯、強くなります…!!!」
黒髪さんは私を、その鋭い視線で見つめていた。揺るぎない、まるで、研ぎ澄まされた刀のようだった。
「お願いします!……私を、真選組にしてください!!」
迷惑なのは百も承知で頭を下げた。心からの誠意を伝えるように。目を固く瞑って、色んな感情が混じって震える手を握り締める。ドクン、ドクン、と、心臓が大きく音をたてていた。頬が、かじかみとは違った熱を持っていた。
「………わかった」
「……え」
…と、その声に顔を上げると、黒髪さんは私を見下ろして。
「……合格」
で、いいだろ、近藤さん、と。ゴリラ顔の……近藤さんというらしいその人に視線を投げ掛けた。近藤さんは意外に思ったのか、目を丸く見開いて、やがてニコリと口角を上げて笑った。
「…そうだな、大した度胸だ。よろしく頼む」
「…っ!!」
…涙が出そうだった。けれど、差し出された手を見て、私は涙を引っ込める。
「…はいっ…」
……頷いて、私はその手を掴もうと手を伸ばす。
…すると。
「……ちょっといいですかィ」
彼等の後ろから、声をかける人が一人。
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ゆきふく(プロフ) - 好きすぎて2週目に入りました。またお世話になります。笑 (2月9日 15時) (レス) id: c898271006 (このIDを非表示/違反報告)
雨散 - ああああああああああああああああ (2019年8月5日 14時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - 私は沖田さんになんてことを........ (2019年3月29日 15時) (レス) id: 544b2fa555 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - ちあきさん» ちあきさん!ありがとうございます!!返信が遅れてごめんなさい!!一巻の沖田さんはツンデレが大きく出てますね(笑)甘々な沖田さんがこれから出てくるかと思われるので、甘い彼もご堪能くだされば幸いです!!お楽しみくだされば嬉しいです!! (2018年6月1日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 沖田くんのツンデレええですね(笑) (2018年5月12日 22時) (レス) id: 3135ea492c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年9月11日 17時