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関係 ページ12

「……ま、」


「……ま、ま…」


「「松平アアアア!?」」


…と。真選組の屯所の庭ではお二人のそんな驚きに満ちた叫び声が響き渡った。冬の空気は澄んでいるせいか、よく響いていく。突然の大声に私はついつい「ひ…!」という悲鳴を噛み殺したような声を漏らしてしまう。黒髪さんがくわえていたタバコが口からポロリと落ちていく。


「え、えぇ……とっつぁんの知り合い…なのか…?」

「え、あ、…はい、知り合いって言うかなんていうか…」

「ど、どういう関係だ…?」


もう訳が分からないとでも言うように二人は目をパチクリとさせて私に問い掛ける。二人から送られてくる視線から逃げるように、冬の高い空へと視線を持っていき、説明する。


「…たまたま、前に酔っぱらっていらっしゃる松平さんに出会って……ほっとけなくて介抱したのが切っ掛けです」


そう。街が冬に塗りつぶされていった頃。お昼からお酒で大層酔っぱらった松平さんに、私は歌舞伎町で出会したのである。道端で顔を赤くして倒れていたから、このままじゃお財布とか取られちゃうなと思い、介抱をした。


……その時に、まぁ、知り合いという関係にはなっていた。そんなに深い関わりはないけれど。


「…松平さんは、幕府の人だと聞いています。真選組の皆さんとも知り合いだから、………仕事で困ってるって私が相談したら、ここに来ればいいって、言ってたんです」


この間偶然会ったときに、確かにあの人はそう言っていた。その時も酔っぱらってはいたけれど、辛うじて意識はあって。


「その時、これを預かって来たのですが…」


と、私はとあるメモ紙を手に取り、彼等に差し出す。松平さんが真選組に着いたらこれを彼等に見せろと言っていたため、素直に見せることにした。


「……『俺の恩人のAちゃんをヨロシクネ』」


…だそうだ、トシ…。と、ゴリラ顔の人はメモに書いてある文を読み上げ、黒髪さんに視線を向けて眉を下げる。黒髪さんは黒髪さんで眉間の辺りを押さえている。


「……あの、何か、まずい感じですか…?」


不安でいっぱいで、私はそうお二人に言う。二人は顔を見合わせ、唸るような声を漏らした。


「……とっつぁんの反応もあるしなぁ…」

「あぁ、下手に怒らせたら面倒だしな…」


そんな会話をボソボソと紡ぐと、今度は私に視線を寄せる。それに少し身構えてしまう。


「……因みに、剣術とかは携わって来たか」


黒髪さんが新しいタバコを口にくわえながら、私にそう質問した。私は「は、はい…!」と頷く。

声→←場違い



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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
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ゆきふく(プロフ) - 好きすぎて2週目に入りました。またお世話になります。笑 (2月9日 15時) (レス) id: c898271006 (このIDを非表示/違反報告)
雨散 - ああああああああああああああああ (2019年8月5日 14時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - 私は沖田さんになんてことを........ (2019年3月29日 15時) (レス) id: 544b2fa555 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - ちあきさん» ちあきさん!ありがとうございます!!返信が遅れてごめんなさい!!一巻の沖田さんはツンデレが大きく出てますね(笑)甘々な沖田さんがこれから出てくるかと思われるので、甘い彼もご堪能くだされば幸いです!!お楽しみくだされば嬉しいです!! (2018年6月1日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 沖田くんのツンデレええですね(笑) (2018年5月12日 22時) (レス) id: 3135ea492c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/  
作成日時:2017年9月11日 17時

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