▼好きだから諦めないよ ページ38
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それに、凪くんが後輩マネに興味を抱いてないと聞いて心底安心した。私が話しかけていない間、チャンスとばかりに彼女が凪くんに話しかけているのをうん十回も見てきた。その度に不安を抱いたものだが、それも全部綺麗さっぱり消えた。
…そっか凪くん、私の事ちゃんと視界に入れてたんだ。
「…んで、嬉しそうなとこ悪いけどもう一つ」
「前…体育祭の時に話した幸せ恐怖症、覚えてるよな?あの時教えてくれなかった過去の恋愛のトラウマ、教えてくれよ」
『ああ、あれの事』
よく覚えてたなあと玲王の記憶力に感心しつつも、何で今更その話題?と疑問に思う。あの時は話したくないなら話さなくていいと優男っぷりを発揮していたというのに、いきなり何の気変わり?
「あの時は無理強いはしなかったけどさ、でも今はそれが知りたい。お前のためにも、凪のためにも」
『…何で凪くん?』
「それは後で教えてやるから。…ほら」
『…仕方ないなあ。
実はさ、私_____...』
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部活が終わり下駄箱に向かえば、そこには小さな手紙が入っていた。そこに書かれていた通り校舎裏に向かえばそこには見慣れた顔があった。さすがの私もこれはそういう雰囲気だとは理解できる。
ただ、意外だったのだ。まさかここに呼び出したのがアイツだなんて。今まで友達だったから多少の情はあるけど、でも下駄箱で手紙を見た時点で答えは決まっている。
『ごめん山下。気持ちは嬉しいけど付き合えない』
「…やっぱそうだよな。凪の事諦めてないか」
『うん。ありがと、好きって言ってくれて』
そのままじゃあねって立ち去るつもりだった。けど山下はその隙を見逃さず、「でもよ桃原」と続ける。私は返しかけた踵を元に戻した。
「あの凪がお前の事好きになると思うか?」
『…どうだろうね』
「ッあのさ、凪が御影に言ってたんだよ。桃原が最近話しかけてこなくて気が楽だって。清々するって。だからそんなヤツ──…」
『うん。でも、凪くんが好きだから』
諦めないよ、と笑顔で言う。するとバツが悪くなったのか山下は「そうかよ」と吐き捨てて逃げるようにその場から去って行ってしまった。…うーん、せっかく仲良かったのになあ。
頭を掻きながら私も帰ろうとすると、曲がり角に何か大きなものがあってぶつかりそうになる。ちょっと危ないじゃ…
「君、馬鹿じゃないの」
『…凪くん?』
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雪菜(プロフ) - Kyoro丸。さん» !!!!めちゃくちゃ嬉しいです〜!!続編行きそうなのでこれからも頑張ります!!ありがとうございます☺︎☺︎☺︎ (2023年4月7日 16時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
Kyoro丸。(プロフ) - いや、これは殿堂入りしなければならない作品でしょ!めっちゃタイプです!これからも頑張ってください〜! (2023年4月7日 14時) (レス) @page10 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - みっちゃんさん» うわあああ嬉しいです!!春休みなのでちょくちょく更新していきます!ありがとうございます〜〜〜!!! (2023年4月7日 12時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - もうどタイプすぎて時間を忘れて一気見してましたwww. 新しい更新まってまーーーす!!!!!!! (2023年4月7日 12時) (レス) @page33 id: 49aaf38551 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - さえさん» 本当ですか…!!!!めちゃくちゃ嬉しいです!!!動悸がすごいです!!ありがとうございます〜!!!☺︎☺︎☺︎ (2023年4月3日 0時) (レス) id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪菜 | 作成日時:2023年3月7日 21時