私に興味がない凪くん。【凪誠士郎】

▼迫り来る体育祭 ページ15

-






「体育祭も2週間前に迫ってきたという事で…これから各種目ごと放課後に練習する場所を設けたいと思います。使える場所と日程は黒板に貼っておくので事前に見ておいてください」





実行委員がそう言うのを聞いて、そんな時期かと気づかされる。クラス替えしたての頃に自分がある程度活躍できそうな種目を選んだが、もう一カ月経ったのか。時間の流れは早い。





「Aは何の種目出んの？私はムカデ競争」


『私は借り物競走。声張り上げるのは得意だし、短距離走なら割と自信あるから選んだ』


「アンタの普段からうっさいその声活用できんのそこか合唱コンくらいだもんね」


『ん？ただの悪口だよね？』





ムカデ競争という事は、他のメンバーとの団結力がかなり重要となってくる。まだ馴染みのないメンツで仲間割れしたら相当気まずくなるが、これを機に仲良くなれる事もある。私もそっちにすればよかったかな〜。


その一方で借り物競走の練習はせいぜい一人で走るくらいしか出来ない。が、普段から運動不足だしたまには気分転換にいいかもしれない。


凪くんは何に出るのー？と聞きに行くと、眠い目をこすりながら「障害物競走」と答えてくれた。これも同様、他の人との団結力とかはあんまり関係がないし練習も必要ないので彼にはピッタリだ。


そんで凪くんは即寝した。君のび太と張り合えそうだね。





「Aが借り物競走選んだ理由ってあれでしょ。少女漫画であるあるの “好きな人” を引き当てて凪連れてゴールインするためでしょ」


『あー…最初はそのつもりだったんだけど』


「だけど？」


『さすがに全校生徒前で注目を浴びるのは凪くん的に迷惑にならないのかなって』


「…アンタ遠慮なんて出来たんだ」


『今日は悪口のオンパレードだね優愛(ゆあ)』





今更だが優愛は私の後ろの席の子で、クラス替え早々話しかけてくれた子の一人だ。あれから私の恋を影ながら応援してくれる良い友達で、お互い言いたい事をはっきり言えるこの関係が結構気に入っていたりする。






-

▼押すが引けない絶対に→←▼すごい進展なんじゃない？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す