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百六十四匹目 ページ18

「――――結局、あのバンダーがビルを砲撃したのは誤作動なのか?」

「まぁそういうことになるねぇ」



出したままの尻尾を揺らし、そう応える。



「敵側の操作という可能性は?」

「ゼロではないのだけれど。

まぁ、その線はあり得ないねぇ」

「何故だ?」

「ふむ。

忍田が理解できるかはわからないが説明してやろう」



そう言ってホワイトボードとペンを取り出す。



「忍田。

お前は悪魔というものの存在を信じるか?」

「悪魔……?

というとおとぎ話に出てくる奴か?」

「間違いでもないな」

「だがあれはおとぎ話の中の架空の存在だろう?」

「大半の人間はそう言う。

だが、悪魔は実在する」



ボードに黒く塗りつぶした丸を描き、それにコウモリの様な翼を生やし角と尻尾を書き足す。

簡易的な悪魔のイラストだ。



「悪魔、というのは人間にとって良くない事をする、というイメージはあるだろう」

「あぁ。違うのか?」

「良いやあっている。確認しただけだ」



話を続けるぞ。


そう言って悪魔の隣にモールモッドを描く。



「本来トリオン兵はプログラムに沿って動く。

基本的にその時の最適な動きをする様にプログラミングされている。

だが、時折悪魔はトリオン兵に取り付くんだ。

そうするとトリオンはプログラム通りに動く事は無く、悪魔が動かすことになる」



説明しながら悪魔からモールモッドへ矢印を伸ばし、少ししてそれらを消して真っ黒に塗りつぶしたモールモッドを描く。



「こうなると、通常のトリオン兵を相手にするよりもずっと倒すのが難しくなる。

動きは速くなるうえに、攻撃も一撃一撃が重くなる。

悪魔に憑かれたモノを総称して悪魔憑き、というのだが、今回のバンダーは悪魔憑き(それ)だ。

だから本来プログラムされている筈の”トリオン量の多い者を砲撃する”という行動をしなかったんだ。

悪魔は人間の恐怖心を好む。

恐怖心は死と隣り合わせと成ったときに強く現れる。

だから奴は人の多いビルを砲撃した。

沢山の恐怖を獲るために」



さらさらとホワイトボードに描いて説明していく。

理解しているのかよくわからない表情で忍田がうなずいた。



「風花の言った事は分かった。

だが、それは事実なのか?」

「事実ですよ、忍田さん」

「レオさん!」



黙って立っていたレオが忍田に声をかける。

俺の視界の端でライオンの尻尾が揺れた。

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作品ジャンル:アニメ
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アキ - 続きが気になって次々読んでしまいます!これからも頑張ってください! (2019年3月25日 8時) (レス) id: 524ee6d04b (このIDを非表示/違反報告)
野良(プロフ) - ミリアさん» お返事の方遅くなりすみません。時間と気力があり次第、リクエストの作品を作らせていただきます! もっとも、いつになるかはわかりませんが。コメント有難うございます! また気の向いたときにでも立ち寄ってください! (2017年9月15日 8時) (レス) id: 93a3181461 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で面白かったですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーの世界にトリップか転生したKかハイキューか黒バスか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけて更新頑張って下さい (2017年9月7日 18時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
ちょっとね、隠れたいのよ(プロフ) - 波瑠音さん» コメントありがとうございます! 物凄くのんびり気の向いたときの更新なのでふと思い出したときにでもまた来てみて下さい! (2017年6月27日 17時) (レス) id: 6af8be8c4a (このIDを非表示/違反報告)
波瑠音(プロフ) - とても面白いです!これからも続きを読みたいと思ってます! (2017年6月27日 16時) (レス) id: 6a4ce7bd71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょっと隠れます | 作成日時:2017年5月23日 2時

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