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崩壊 ページ11

もう手遅れだった。
保健室の先生によると、由利はついさっき帰ってしまったらしい。

乃香がトイレに行っている間に荷物を取りに来てたのだろう。

乃香は絶望した。
もう、ごまかしきれない。

不安で本当にお腹が痛くなった。
早退の連絡をとってもらったが、母は電話に出なかった。

外で話をしているのだろうか。
最悪な想像しかできない。

母は専業主婦だ。
買い物に行くのも夕方のはずだから、出れないはずがない。

この想像はきっと当たっているのだろう。

乃香は折り返しで電話がかかってくるのを待つことになった。
最悪な時間だった。

不安と悲しみ、情けなさ。そして後悔。
今更感じたって遅い。

すべて自業自得だとわかっているから、更に悲しくなってくる。

最悪な時間の流れはなぜか遅く流れていく。

本当は5分くらいしか経っていないはずなのに、1時間経ったのではないかと思えるほど長い。


プルルルル

保健室に電話の音が鳴り響く。
今の乃香にとっては絶望、恐怖の音だ。

思ったとおり、母からだった。
すぐに来るらしい。

保健室の先生は「よかったね」と言ってくれたが、乃香は全然良くない。
今は恐怖しかない。

何をされるんだろう?
何を言われるんだろう?

そんな事ばかり考えていたら母が来た。
本当にあっという間に来た。

保健室の先生の前では笑顔だったが、乃香には怒っているように見えた。

母に連れられながら学校を出て、家についた。

母の第一声は、「大丈夫?」でも、「まだ痛い?」でもなく、

「由利ちゃんがさっき、わざわざ早退してまで来てくれたんだけど。
乃香ならわかるわよね?あなたの言い分と全く違ったんだけど。」

スマホの画面には占いツクール。
乃香の実話のコメント欄だった。

由利と乃香のコメント。
残したままだった。

自分の詰めの甘さを痛感する。


ここまでバレてしまっては言い逃れも言い訳もできない

正直に言うしかなかった。


嘘の実話だったこと。
親にも嘘をついたこと。

母の顔はどんどん険しくなっていった。


全て話し終わったあと、4時間は叱られた。
占いツクールも人気になりたくて書いた嘘だと明かし、やめさせられた。
次の日は必ず友達に本当のことをいい、謝る事になった。

あたり前のことをするだけなのに、乃香は恐ろしかった。
真実を言うのが。
偽り続けていたことを明かすのが。




だがこれだけでは終わらなかった。

本当の地獄はここからだった。

本当の地獄→←矛盾



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コケテラニウム(プロフ) - あああ闇だ。自分も気をつけます。というかこのシリーズすごく好きです。 (2022年5月31日 0時) (レス) @page8 id: e18cd3a586 (このIDを非表示/違反報告)
ねこもちのいえ(プロフ) - えむえいかさん» 闇ですね・・・ (2022年5月22日 10時) (レス) id: 3cca1a5a1d (このIDを非表示/違反報告)
えむえいか - 闇だ… (2022年5月17日 20時) (レス) @page5 id: 1d192b5b3f (このIDを非表示/違反報告)
霊夜真(プロフ) - ねこもちのいえさん» 大丈夫? (2022年5月4日 10時) (レス) id: 654d3a996f (このIDを非表示/違反報告)
ねこもちのいえ(プロフ) - wwホントに最近更新できないw (2022年5月4日 10時) (レス) id: 3cca1a5a1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねこもちのいえ | 作者ホームページ:無いね!  
作成日時:2022年3月2日 21時

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